「給湯器が故障したかも…修理の費用はいくら?」
「修理と交換、どっちがいい?」
給湯器は家庭での快適な生活に欠かせない設備ですが、突然故障すると非常に不便です。
この記事では、給湯器の修理費用や修理の詳細、そして修理をするべきタイミングについて詳しく解説します。早期の対処が長期的なコスト削減につながり、安全で安心な生活を支えるために必要な知識を提供します。信頼できる修理業者の選び方や定期メンテナンスの重要性も含め、給湯器のトラブルを未然に防ぐ方法を学びましょう。
黒川精一 (SKG株式会社代表取締役)
「液化石油ガス設備士」「ガス消費機器設置工事監督者」「TES工事士」「第二種電気工事士」など給湯器関連の多数の資格を持つ「給湯器」の専門家。三菱電機・ジャパン建材・東京ガス関連会社など住宅設備機器関連会社に従事した経験を元に、創業50周年の歴史を持つSKG株式会社の代表取締役に就任。
給湯器の修理の費用
給湯器の修理費用は、問題の種類や部品の交換が必要かどうかによって大きく変動します。
小さな修理 (パイプの漏れ、センサーの調整など) | 5,000円〜15,000円 |
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中程度の修理 (バルブの交換、配線の修理など) | 15,000円〜30,000円 |
大規模な修理 (ヒートエクスチェンジャーの交換、ガスバーナーの修理など) | 30,000円〜50,000円以上 |
上記の修理費用は、出張費や技術料、部品代などを含めた合計金額の目安です。
金額はどの部品が故障しているかによって大きく変動しますが、不具合の症状だけで事前に金額を確定させるのは難しく、事前見積もりはあくまでもおおよその金額しか提示されません。基本的には実物の点検をしてから修理費用を算出します。
特に大規模な修理が必要になった場合、100,000円以上かかる場合もありますので、給湯器を交換したほうがオトクな場合もあります。
修理が必要な故障の内容
修理が必要な給湯器の故障には、以下のような内容があります。
燃焼系の不具合
・バーナー劣化、ヒートエクスチェンジャーの清掃・交換、ガス電磁弁不良、ガスバルブ交換等
電装系の不具合
・センサーや制御盤不良、基板不良、配線の腐食、断線等
安全装置系の不具合
・温度ヒューズ、過熱防止装置等の交換
水制御系の不具合
・漏水の補修、ホース交換、流量検知、切換弁、注湯電磁弁の交換等
どんな症状が出たら給湯器の修理を検討するべきか
給湯器が故障する時には、いくつかの兆候やサインが現れることがあります。これらの兆候を早期に察知することで、大きな問題を未然に防ぎ、修理費用を抑えることができます。
ここでは、給湯器が故障した際によく見られる一般的な兆候をいくつか解説します。
給湯器から異常な音がする
給湯器から異音がする場合も故障の兆候です。正常な音には「ブーン」というファンモーターが回っている音や、「ジュージュー」と水が蒸発している音、「ブオーン」という循環ポンプが作動している音などがありますが、ガタガタ音や「ボッ」という小さな爆発音、「ピーッ」という笛のような音が頻発している場合は、内部の部品が摩耗していたり、燃焼に問題がある可能性があります。
お湯の温度が安定しない
給湯器が故障する兆候の一つに、お湯の温度が安定しないことがあります。お湯が出ていたのが急に冷たい水になり、またお湯に戻るといった症状を繰り返す場合、給湯器の調子が悪い可能性があります。
水漏れがある
給湯器の周囲に水漏れが見られる場合は、すぐに給湯器交換専門の業者やガス会社に点検を依頼しましょう。水漏れは、内部の配管やタンクに問題があることを示しており、最悪のケースでは一酸化炭素漏れに繋がる為、放置するのは非常に危険です。
ガスの臭いがする
ガス給湯器の場合、ガスの匂いがする場合は非常に危険です。すぐにガスの元栓を閉め、換気を行い、給湯器交換専門の業者やガス会社に連絡してください。ガス漏れは火災や爆発の原因となるため、迅速な対応が必要です。
給湯器が突然停止した場合の対処法
給湯器が突然停止するのは故障の可能性もありますが、他にも様々な原因があります。
給湯器が停止すると、お湯が出ないため大変不便ですが、落ち着いて原因を見極めましょう。
まず、給湯器の電源が入っているか確認します。電源プラグが抜けていないか、ブレーカーが落ちていないかをチェックしましょう。
ガス給湯器の場合、ガスの供給が正常か確認します。ガスの元栓が開いているか、ガス会社による供給停止がないかを確認してください。ガス漏れの可能性がある場合は、ガスの元栓を閉めて換気を行い、速やかに専門家に連絡しましょう。
多くの給湯器にはリセットボタンが付いています。説明書に従ってリセットボタンを押し、給湯器が再起動するか確認します。ただし、頻繁にリセットが必要がある場合、故障の可能性が高いので、専門家に点検を依頼してください。
給湯器の取扱説明書には、故障時の対処法が記載されています。説明書を確認し、適切な手順で対処してください。特に、エラーメッセージが表示される場合は、その内容に従って対応することが重要です。
応急処置を行っても給湯器が復旧しない場合は、給湯器交換専門の業者やガス会社に連絡して点検・修理を依頼します。無理に自分で修理しようとすると、さらなる故障や危険を招くことがあります。
給湯器の修理・交換はどう判断する?
給湯器を修理するか、新しい給湯器に交換するかの判断は、給湯器が製造されてからの寿命(10年~15年)を過ぎている、もしくは近づいているようであれば交換。それ以前であれば修理するのが一般的です。
寿命が近い場合、一度修理してもその他の箇所がすぐに故障する可能性も高い為、新しい給湯器に交換した方が結果的にお得と言えます。
給湯器の修理はDIYしても良い?
給湯器の修理には専門的な資格が必要なため、原則としてDIYで修理してはいけません。
- 給水装置工事主任技術者
- 液化石油ガス設備士
- ガス可とう管接続工事監督者
- ガス機器設置スペシャリスト
- 特定ガス消費機器設置工事監督者
- 電気工事士(電気工事が必要な場合)
特に給湯器内部の故障は、単純な部品の交換であっても、一酸化炭素漏れ、ガス漏れなどの重大な事故に繋がるリスクがあるので絶対にヤメましょう。
DIYで修理して良いのは
- 外部に露出している配管の保護テープを巻き直す応急処置
- リモコンや給湯器のリセット操作
- ガスが遮断されていないか(ガスメーターのチェック)
これらのみです。保護テープはホームセンターやインターネットなどで購入することが出来ますが、あくまでも応急処置の為、不具合がある時は1度専門の業者に点検してもらう事をオススメします。
給湯器の寿命を延ばす定期メンテナンス・清掃のコツ
多くのガス給湯器は屋外に設置されているので、海が近い・雨風が強い・気温差が激しいなどの環境の変化が激しいと、どうしても短命になってしまいがちです。
ただ、基本的なメンテナンスをすることで、ある程度なら寿命を延ばすことが可能です。
排気口の近くに物を置かない(塞がない)
給湯器の排気口の近くに物を置くと、排気ガスが正しく排出されず、内部に溜まる可能性があります。これにより、給湯器の効率が低下し、故障のリスクが高まります。
排気口の周囲を常に清潔に保ち、障害物を置かないようにすることで、給湯器の寿命を延ばすことができます。
排気口・吸気口のほこりを取る
排気口や吸気口にほこりやゴミが溜まると、空気の流れが妨げられ、給湯器の効率が低下します。定期的にこれらの部分を掃除し、ほこりやゴミを取り除くことで、給湯器のパフォーマンスを維持し、故障のリスクを減らします。
ドレン配管の先にゴミや落ち葉などを溜めない(エコジョーズのみ)
エコジョーズ給湯器では、ドレン配管が正しく機能することが重要です。配管の先にゴミや落ち葉が溜まると、ドレン水(汚水)の排出が妨げられ、故障の原因となります。定期的にドレン配管をチェックし、清掃することで寿命を延ばすことができます。
お風呂の循環口のフィルター掃除
お風呂の循環口のフィルターには、髪の毛や石鹸カスなどが溜まりやすいです。これらの汚れが循環系統に溜まると、給湯器の効率が低下し、故障の原因となります。月に一度程度フィルターを取り外して掃除することで、水の流れをスムーズに保ち、給湯器の寿命を延ばすことができます。
お風呂の追い炊き配管の掃除
お風呂の循環口のさらに奥が追い炊き配管になります。ここにも汚れは溜まるので、清掃をしないと水の流れが悪くなり、給湯器の効率が低下します。定期的に配管の掃除を行うことで、追い炊き機能を正常に保ち、給湯器の寿命を延ばすことができます。専用の洗浄剤を使用するのもおすすめです。
給湯器のメンテナンスの頻度
目安としては1ヶ月に1回程度簡単な掃除を行う事で、サビや腐食、不完全燃焼の防止になり、給湯器の寿命を伸ばせます。
メンテナンス方法の詳細については、こちらの記事もご覧下さい
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まとめ
給湯器の修理費用は、故障した箇所により数千円~6万円程度まで大きく変動します。交換するか修理するかは寿命を元に判断するのが一般的ですが、異常を感じたら早めに専門業者に相談しましょう。
また、定期的なメンテナンスや適切な使用方法を心掛け、突然の故障を防ぎましょう。