給湯器の寿命を伸ばすお手入れ方法と点検・メンテナンス 

給湯器は毎日の生活に欠かせません。長く安全に使用するためには定期的な点検とメンテナンスが必要ですが、ガス会社等の点検とは別に、日々の隙間時間に出来るセルフお手入れの方法をご紹介します。

監修者
監修者 黒川精一

黒川精一 (SKG株式会社代表取締役)

「液化石油ガス設備士」「ガス消費機器設置工事監督者」「TES工事士」「第二種電気工事士」など給湯器関連の多数の資格を持つ「給湯器」の専門家。三菱電機・ジャパン建材・東京ガス関連会社など住宅設備機器関連会社に従事した経験を元に、創業50周年の歴史を持つSKG株式会社の代表取締役に就任。

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目次

汚れをお掃除して寿命アップ

ガス給湯器は外部に露出しているケースが多いことから、様々な箇所に汚れが溜まります。ここでは、それぞれの部位で簡単に出来る清掃方法をご紹介します。

機器の外装は乾拭き

給湯器の外装は、風雨にさらされることで日常的に汚れがついていきます。定期的に雑巾等の乾いた布で拭いてあげる事で、サビや腐食の防止に繋がります。汚れがひどい場合には、中性洗剤を使用して水拭きした後、乾拭きで仕上げましょう。

ストレーナー

ストレーナーは、水中の不純物や異物をキャッチしてくれるフィルターの役割を果たしています。しかし、その役割上、異物がストレーナーに詰まることがよくあります。

詰まりが起こると、給湯器の効率が低下し、場合によっては故障の原因ともなる可能性がある為、月に1回程度はストレーナーの掃除をしましょう。

給水元栓を締めてから水抜き栓を外し、目詰まりしているゴミがあれば取り除きましょう。

※取り外し方法は給湯器により異なるので取り扱い説明書をご覧下さい。

追い炊き配管・浴槽の循環金具の清掃

浴槽の追い炊き機能や循環機能を持つ給湯器では、配管や循環金具に水垢や異物が溜まりやすくなっています。特に硬水地域では、水垢が溜まりやすいため、定期的な掃除と水垢取りを行いましょう。

掃除の際は、市販の水垢取り剤や酢を使用すると効果的に掃除を行うことができますが、使わなくなった歯ブラシ等で磨くだけでも十分な効果が得られます。

給気口・排気口の清掃

給湯器の給気口や排気口は、風雨によってチリやホコリが溜まったり、虫などが入り込む可能性があります。

これらの異物が給湯器内部に侵入すると、機能低下や故障の原因となることがあるため、柔らかいブラシや掃除機を使用して、異物を取り除く掃除を月に1回程度してあげると給湯器の寿命を延ばすことに繋がります。

また、排気口・給気口近くに不要な枝葉が伸びていないか、大きな荷物等が置かれていないかも合わせてチェックし、空気の流れを妨げる物があれば取り除いておきましょう。

保護カバー・テープをチェック

凍結対策や配管保護の為、カバーを設置していたりテープを巻いている場合、そちらに傷や破れが無いかをチェックしましょう。

特に、凍結防止の保護テープが巻かれていて、テープに損傷があると凍結防止能力が低下してしまう為、正しく巻き直してあげる必要があります。

凍結防止のメンテナンスについては下記記事でも詳しく解説していますので、こちらもチェックしてみて下さい。

【まだ無い記事リンク:給湯器 凍結防止で新記事書くのでリンク追加】

リモコン清掃

給湯器のリモコンは日常的に手で触れる部分であるため、指紋や油分、埃が付着しやすくなります。特に、キッチンのコンロに近い場所にリモコンが設置されていると、調理の油分もつくためベタベタになりがち。

アルコールティッシュや柔らかい布を使用して、ボタン部分や液晶画面を優しく拭き取ります。液晶画面はデリケートなので、強くこすらず、汚れを落とすように心掛けましょう。

給湯器内部の分解掃除はちょっと待った!

給湯器の清掃をしていると、隙間から見える内部にホコリがたまっていたり、虫の死骸などの異物が見える場合があります。簡単な清掃ならちょっと給湯器を分解して……と思うかもしれませんが、そこは待った!

給湯器内部にはセンサー類を始めとする精密機器も多く、単純な拭き掃除でもそれらを傷つけてしまったり、ネジやパッキンなどを痛めて元に戻せなくなる可能性もある為、内部の清掃は控えましょう。

給湯器内部に関しては、最寄りのガス会社や給湯器交換専門の業者に1年に1回程度の点検を依頼し、その際に気になる箇所を伝えましょう。

 合わせてチェック!給湯器の故障

DIYで出来る給湯器のメンテナンスは、簡単な清掃が基本です。本格的な故障については専門の業者に点検を依頼することになりますが、お掃除ついでに故障がないかも合わせてチェックしておきましょう。

異音・異臭のチェック

給湯器からは通常、モーターやバーナーなどの運転音がしますので全く無音という事はありません。しかし、小さな爆発音のような「ボンッ」という音や「ピー、ヒュー」と高音の音がする場合、燃焼系部品の異常が疑われます。

放置しておくと機器の故障に繋がる恐れもある為、気になる音がしたら早めに専門の業者に点検を依頼しましょう。

また、異臭がする場合は要注意!ガス漏れを起こしている可能性があり、大変危険です。異臭がする場合はまず給湯器の電源を切り一旦使用を止めて下さい。その後、速やかに専門の業者に点検を依頼しましょう。

水漏れがないかチェック

給湯器の下部や配管周辺に水たまりが見られる場合、水漏れが疑われます。

水漏れはパッキンなどの劣化から配管の損傷など様々な原因から起こり得ますが、外から見える範囲では給湯器の接続部や配管のジョイント部分を特に注意深くチェックしましょう。

もし水漏れの原因が分からない場合は、迷わず専門の業者に点検を依頼することをおすすめします。

給湯器の寿命と長持ちさせるコツ

給湯器の寿命は一般的に10年~15年程度と言われています。定期的なメンテナンス・清掃も大切ですが、日々の使い方を少し工夫するだけでも、寿命を延ばす事に繋がります。

設定温度は過度に高くしない

主にリモコンで設定する給湯温度ですが、必要以上に高くしないよう心掛けましょう。これは、給湯器内部の部品で消耗品であるバーナーへの負荷を軽減することに繋がります。

日常的に適切な温度設定を心掛けることで、給湯器の故障を予防することが出来ます。

長期間使わないときには水抜き!

出張や旅行等で長期間ご自宅を不在にする際には、水抜きを行いましょう。給湯器内部には常に水が滞留・循環していますが、長期間使用しないと滞留した水が腐ってしまい、配管等の腐食に繋がる恐れがあります。

水抜き栓は給湯器により場所が異なるので、取り扱い説明書に従って水抜き作業を行ってください。

凍結対策を行う

冬季などに給湯器が厳しい寒さに晒されると内部の水が凍結する事があります。凍結するとお湯が出なくなるばかりか、水が氷になることで体積が膨張し、配管が損傷するリスクが高まります。

凍結防止のための対策としては、保護テープを巻く、凍結防止ヒーターを取り付けるなどの方法がありますが、下記にて詳しく解説していますのでそちらもご参照ください。

 信頼できる業者に定期点検を依頼する

給湯器は外からは見えない内部の部品が日常的に劣化が進行していきます。それらは外から見るだけではどうしてもチェックしきれません。

専門の業者による定期点検は1年ごとを目安に行うのが最善です。信頼できる業者に定期的にメンテナンスを依頼することで、給湯器の寿命を延ばし、安全に使用するためのサポートを受けることができます。

まとめ

  • DIYメンテナンスは給湯器の外部やリモコンの清掃が基本
  • 内部のメンテナンスは専門の業者に依頼
  • 小まめなお手入れで寿命を伸ばそう!

給湯器のメンテナンスで一般消費者がやれる事はそれほど多くはありません。しかし、外部に露出している部分も多いことから、小まめな清掃やゴミの取り除きが給湯器の寿命を延ばす事にも繋がり、ひいては余計な出費を防ぐことに繋がります。

是非とも当記事を参考に、ちょこっとの隙間時間で出来る簡単な清掃から始めてみてはいかがでしょうか。

また当サイトでは、各地域でオススメの給湯器交換業者を紹介しています。 信頼できる業者に定期的なメンテナンスを頼みたい方はそちらも参考にしてみてください。

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