見積もりの中で分かりにくい「部材費」や「オプション工事費」は、総額を左右する要素です。配管部材や排気部材、リモコン交換、ドレン排水や電源まわりの追加など、実は小さな積み上げが大きな差を生みます。本記事では、よくある名目の正体を平易に解きほぐし、適正かどうかを素早く見抜く視点をまとめます。
この記事でわかること
- 見積もりに登場する部材費とオプション工事費の中身
- 適正価格を見抜くための明細チェックの手順
- 上振れを防ぐ標準工事と別途条件の整理のしかた
- 保証と体制を含めた後悔しない業者選びの要点

黒川精一 (SKG株式会社代表取締役)
「液化石油ガス設備士」「ガス消費機器設置工事監督者」「TES工事士」「第二種電気工事士」など給湯器関連の多数の資格を持つ「給湯器」の専門家。三菱電機・ジャパン建材・東京ガス関連会社など住宅設備機器関連会社に従事した経験を元に、創業50周年の歴史を持つSKG株式会社の代表取締役に就任。
給湯器交換費用の内訳の詳細
給湯器本体代
本体代はメーカー差よりも、号数と機能で大きく変わります。ここでは本体のみの実勢目安を示します。リモコンや取付費、部材費は別になります。相場は流通やキャンペーンで変動しますので、あくまで目安としてご覧ください。
種類 | 16号の目安 | 20号の目安 | 24号の目安 | 特徴の要点 |
---|---|---|---|---|
給湯専用 従来型 | 約60,000〜90,000円 | 約70,000〜100,000円 | 約80,000〜110,000円 | 追い焚き無しで最安クラス |
ふろ給湯器 オート 従来型 | 約90,000〜120,000円 | 約100,000〜140,000円 | 約110,000〜150,000円 | 自動湯はり 自動停止が中心機能 |
ふろ給湯器 フルオート 従来型 | 約110,000〜150,000円 | 約120,000〜170,000円 | 約130,000〜180,000円 | 追い焚き配管の自動洗浄や自動たし湯まで対応 |
エコジョーズ オート | 約120,000〜160,000円 | 約130,000〜180,000円 | 約140,000〜200,000円 | 高効率でガス代を抑えやすい |
エコジョーズ フルオート | 約140,000〜180,000円 | 約150,000〜210,000円 | 約160,000〜230,000円 | 高効率かつ多機能で価格は上振れ |
給湯暖房熱源機 床暖房対応 | ー | ー | 約220,000〜330,000円 | 暖房回路付きで本体価格が高め |
補足として、同じ種類でも屋内設置やPS内専用機は価格が上がりやすい傾向があります。省エネ性と初期費用のバランスを見るなら、家族人数と同時使用の有無を基準に号数を選び、従来型かエコジョーズかを生活パターンで絞り込むと無駄がありません。
一般的な見積では部材費が総額の1〜2割を占めるケースもありますが、SKGはコミコミ総額提示のため、内訳に“部材だけの%”が現れないことがあります。必要部材は現地調査の結果を数量・単価つきで明細化します。
基本工事費
基本工事費は、既存機の取り外しから新しい給湯器の据え付け、配管と電源とガスの接続、試運転までの一連の作業に対する費用です。標準的な現場で必要となる作業をまとめ、どこまでが含まれるのかを見極めやすい形で整理します。
区分 | 具体的な作業 | 補足 |
---|---|---|
含まれることが多い | 既存給湯器の取り外しと搬出 | 産廃の回収と処分まで含むケースが多いです |
新規本体の据え付けと水平出し | 取付金具の点検や交換を同時に行うことがあります | |
ガスと給水と給湯と追い焚き配管の接続やり直し | パッキンやシール材の交換を含むことが一般的です | |
電源の接続とアース確認 | 屋外コンセントが既設である前提です | |
漏えい検査と耐圧試験 | ガス漏えい検査や通水確認をその場で実施します | |
試運転とリモコンの動作確認と操作説明 | ふろ自動や追い焚きの動作まで確認します | |
保温材や化粧カバーの復旧 | 既存相当の復旧が基本です | |
現場や会社で変わる | リモコンの交換作業 | 基本工事に含む会社と別途計上の会社があります |
排気部材の交換 | 劣化や方式変更が必要な場合は別途になることがあります | |
エコジョーズのドレン接続が既設にある場合の接続や調整 | 新設は別途に分かれることが多いです | |
別途になりやすい | ドレン排水の新設や受けの新設 | 勾配確保や貫通工事が加わるため別途の扱いになりやすいです |
電源の新設やコンセント交換 | 電気工事の範囲は別途で計上されることが一般的です | |
PS枠や専用排気トップや延長部材の交換 | マンションのPS内は専用品で別途になりやすいです | |
高所作業や長距離の配管延長や搬入養生 | 現場条件によって加算されることがあります | |
駐車場代や時間外対応や再訪問費 | 事前合意があれば請求の妥当性を判断しやすくなります |
基本工事に含まれる範囲と、別途になる条件を契約前に書面でそろえると安全です。数量と単価と上限金額、総額固定の可否まで合わせて確認してください。
SKGの基本工事に含まれる主な項目
既存機の撤去・処分(無料)、本体取付、給水・給湯・追い焚き配管の接続、保温、リモコン2カ所の交換(コミコミ)、漏えい検査、試運転、操作説明。
※現場条件で追加が必要な場合は、数量・単価・発生条件を明細化して提示します。
部材費
別途の部材費が発生するのは、現場ごとに必要な部品の種類や数量が変わるためです。既存の配管径や位置、排気方式、設置高さが少し違うだけで、継手やフレキ管、エルボ、保温材、取付金具、排気部材、エコジョーズ用のドレン部材などの選定が変わります。安全面でもシール材やパッキンは再利用せず新品交換が基本で、老朽化した止水栓やガス栓、劣化した保温材は交換が推奨されます。こうした現場差と安全交換の必然から、部材は一律ではなく実費計上となります。標準工事に含まれる消耗材と、現場条件で増える追加部材の境界を見積書で分け、数量と単価が読める形になっていれば妥当性を判断しやすくなります。詳細は次項で具体的な部品例と費用の目安を整理します。SWELLの注意ボックスで「標準に含まれる部材」と「現場条件で増える部材」を短文で並べておくと、スマホでも迷わず確認できます。
一般的な見積では部材費が総額の1〜2割となる場合があります。SKGはコミコミ総額提示のため、標準消耗材や基本部材は総額に内包。追加が見込まれる部材は、数量・単価・発生条件を明細化してお渡しします。
給湯器交換の「部材費」とは?どんな部品が必要になる?
部材費は見積もりで軽く見られがちですが、実際は総額を左右する重要項目です。現場条件で必要点数が変わるため一律化が難しく、総額の一部として一式で計上される場合と、部品ごとに数量と単価を分けて明細化する場合があります。目安としては総額の一割から二割を占めることが多いですが、マンションのPS内や屋内設置のように専用部材が増える条件では比率が上がりやすくなります。
ポイント
部材は安全と耐久に直結します。シール材やパッキンは再使用せず新品交換が基本になり、老朽化した止水栓やガス栓は交換推奨になります。明細で標準に含まれる消耗材と、現場条件で増える追加部材の線引きが読める見積書ほど後日の食い違いを防ぎやすくなります。
必須の部材(多くの現場で必要)
用途 | よく使う部材の例 | 補足 |
---|---|---|
給水 給湯の接続 | 架橋ポリエチレン管 ポリブテン管 銅管 継手 保温材 | 既存の管種や径に合わせて選定します。劣化や長さ調整で交換が入ります。 |
ガスの接続 | ガス可とう管 ガス栓接続部材 パッキン | 安全確保のため可とう管やパッキンは新品交換が基本です。 |
電源 リモコンの接続 | 電源ケーブル アース リモコンケーブル 固定金具 | 機種で端子仕様が異なる場合があります。既設の劣化があれば交換します。 |
交換が必要になることが多い部材(現場の状態で増減)
用途 | 交換が入りやすい部材 | 補足 |
---|---|---|
ガス接続 | ガス可とう管 フレア継手 | ガス会社や施工基準で交換推奨のケースがあります。 |
止水や開閉 | 止水栓 ボールバルブ 逆止弁 | サビや固着がある場合は交換が安全です。 |
シールと防水 | パッキン Oリング シールテープ 充てん剤 | 接続のやり直し時は新品に置き換えるのが基本です。 |
外観と保護 | 配管カバー 化粧カバー 断熱保温材 | 新機種の寸法や位置で合わない場合は新品を選定します。 |
取り付け | 取付金具 アンカー ビス | 既存金具の強度不足や位置ズレ時に交換が入ります。 |
部材費は現場の安全基準と既存設備の状態に合わせて変動します。同じ型番でも配管径や位置が違えば必要部材は変わります。見積もりは標準と追加の境界、数量と単価、上限金額の有無まで書面でそろえて確認すると安心です。
給湯器交換の「オプション工事費」とは?
オプション工事費は、標準工事に含まれない追加作業の費用です。設置環境や機種変更で必要になることがあり、総額を左右します。
リモコン関連のオプション工事
SKGはリモコン交換(台所+浴室の2面)を基本工事に含めたコミコミ総額で提示します。他社見積では、移設・新設・ワイヤレス化などは別途計上されることが多いため、一般相場の目安としては、移設や新設で配線ルートの確保や防水処理が入ると数千円〜1万円台の追加になり得ます(本体価格は別途)。適合可否・開口寸法・防水要件・管理規約は事前に確認してください。
- 事前チェック
型番の適合と枚数、設置位置、必要な開口の有無を確認します。 - 費用の目安
交換は数千円台から、移設や新設は配線ルートと防水処理で増減します。 - 施工時の注意
浴室側は防水、マンションは管理規約、共用部の扱いを事前合意にします。
SKGではリモコン交換(原則2カ所)は基本工事に含まれます。既存機の撤去・処分も無料。他社見積では別計上されがちな項目でも、当社はコミコミ総額で提示するため、追加の発生有無を事前に判断しやすいのが特長です。
設置場所・配管関連のオプション工事
まず多いのが本体位置や高さの調整です。ふかし枠の新設や取付金具の位置替えで干渉を避ける工事は、作業費がおおむね5,000〜15,000円前後に部材代が加わります。マンションのPS内では専用枠や前板の交換、専用排気部材の選定が必要になりやすく、作業費は10,000〜30,000円前後が目安です。
排気の条件が合わない場合は、排気トップの更新や延長部材の追加でクリアランスを確保します。作業費は5,000〜20,000円前後に部材代が別途となることが多いです。風向の影響が大きい場所では、偏芯アダプタや風向制御トップの採用で安全性を高めます。
その他オプション工事
まず浴槽まわりでは循環金具の交換や配管の洗浄が必要になることがあります。作業費はおおむね5,000〜15,000円程度で、部材代が加わる場合があります。リモコン開口の寸法が合わない場合は化粧プレートでの補修や下地の手直しが必要になり、数千円〜1万円台が目安です。
外壁や間仕切りをまたぐ配線や配管の新設では、コア抜きや貫通部の防水処理が必要になります。小規模な開口で1万円台〜、規模や下地復旧の有無で増減します。屋外の据え置き架台の交換やアンカーの打ち替え、耐震固定の強化は1万円台〜3万円前後が目安です。
ガス栓やフレキの更新は安全面から交換推奨となることが多く、数千円〜1万円台で計上されます。寒冷地や高層階では凍結防止ヒーターやサーモの追加で5,000〜12,000円前後、配管の保温材の巻き替えは3,000〜10,000円前後が目安です。
集合住宅では共用部の養生や長距離搬入が必要になることがあり、搬入養生の加算が5,000〜15,000円前後で別途の駐車場代が実費計上されることもあります。時間外や再訪の対応は事前合意が前提で、数千円〜1万円台の追加が一般的です。産廃の増分や大型梱包材の回収が増える場合も、実費や数千円単位での加算が入ることがあります。
給湯器の交換費用の相場はいくら?
相場は機種と号数と設置条件で変わります。目安として、従来型はおおよそ15〜20万円、エコジョーズは10〜22万円前後になります。追い焚きや床暖房の有無、マンションのPS内など専用部材が必要な条件では上振れしやすく、屋外壁掛けなど標準的な条件では収まりやすい傾向です。工事内訳と部材の要否で最終金額が変わりますので、同条件での相見積もりをおすすめします。詳しい価格レンジと内訳は下記で整理しています。
給湯器交換の費用相場の詳細はこちら

給湯器交換業者の選び方は?
業者選びで最優先にしたいのは、同条件での相見積もりです。最低でも2〜3社に依頼し、本体型番とリモコン品番、標準工事の範囲、別途費用の発生条件、税込の総額固定の可否をそろえて比較すると、公平でブレない判断ができます。見積書は「一式」ではなく、数量と単価と小計が読める明細を前提にすると安心です。
比較の軸は次の通りです。明細の透明性、保証の内容と窓口、施工体制が自社施工か下請けか、再訪問費や時間外の扱い、緊急時の初動スピード、直近の施工実績と写真付きの事例、口コミの新しさと具体性、支払い条件とキャンセル規定の明確さ。これらを契約前に書面で確認できる会社を選びます。
詳しいチェックリストと費用を抑える進め方は、以下の記事にまとめています。

見積もりを取る際の注意点は?
同条件で2〜3社に依頼し、本体型番とリモコン品番、標準工事の範囲、別途の発生条件、税込の総額固定の可否をそろえて比べることが要点です。見積書は一式ではなく数量と単価と小計が読める明細で受け取り、現地調査の内容が反映されているかを確認します。支払い時期と前金の要否、キャンセル規定、再訪や時間外の加算の有無まで契約前に書面で一致させておくと安心です。
詳しい詳細以下の記事にまとめています。

まとめ
給湯器の交換費用は本体代と基本工事費に加えて、現場条件で変動する部材費とオプション工事費で決まります。配管や排気部材、取付金具、ドレン排水の新設などは安全性と耐久性に直結し、見積もりで軽視できません。
標準工事とオプションの境界、数量と単価と小計が読める明細、発生条件と上限金額の事前合意が整っていれば、上振れの不安を抑えられます。相場は機種と号数と設置条件で変わるため、同条件で2〜3社に相見積もりを取り、総額固定の可否と保証内容、再訪や時間外の扱いまで書面で比較してください。
ベランダの壁掛けやPS内、従来型からエコジョーズへの切り替えなど、設置環境が変わる場合は部材とオプションの要否が増えやすく、現地写真と型番の事前共有が精度を高めます。最短で失敗を避けるコツは、内訳の透明性と安全基準を守る施工体制を軸に業者を選ぶことです。費用の全体像を押さえ、必要十分な工事を適正価格で実現できる状態を整えてから契約へお進みください。
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