エラーコード662は、おいだき熱動弁の開弁異常を検知した際に発生するエラーです。
この記事では
- エラーコード662が表示される原因
- エラーコード662の直し方・対処法
- エラーコード662を直せない場合の修理・交換
について詳しく解説しています。

黒川精一 (SKG株式会社代表取締役)
「液化石油ガス設備士」「ガス消費機器設置工事監督者」「TES工事士」「第二種電気工事士」など給湯器関連の多数の資格を持つ「給湯器」の専門家。三菱電機・ジャパン建材・東京ガス関連会社など住宅設備機器関連会社に従事した経験を元に、創業50周年の歴史を持つSKG株式会社の代表取締役に就任。
給湯器のエラーコード662とは?表示される原因
給湯器のエラーコード「662」は、おいだき熱動弁の開弁異常を検知した際に発生するエラーです。おいだき熱動弁とは、追い焚き機能を作動させる際に浴槽の水を循環させるための弁で、温度変化によって開閉する部品です。この弁が正常に開かないと、浴槽の水を循環できず追い焚き機能が使えなくなります。
追い焚き機能に直結する部分のエラーのため、早急な原因の特定が求められます。
おいだき熱動弁の役割
- 追い焚き循環路の開閉
追い焚き時に浴槽の水を循環させる経路を開く - 温度による自動制御
熱によって弁が開閉する仕組みで、追い焚き開始時に自動的に開弁する - 循環効率の確保
適切なタイミングで開閉することで効率的な追い焚きを実現する - 安全機能
異常時には弁を閉じて循環を停止し、機器を保護する
主な発生原因
- 熱動弁本体の故障
弁本体の経年劣化や内部部品の破損 - 弁の固着
水あかやゴミの付着により弁が開かなくなる - ワックス部分の劣化
温度変化で膨張・収縮するワックス素子が劣化して動作不良になる - 配線・コネクタの接触不良
経年劣化や湿気による断線やショート - 開弁検知センサーの異常
弁が開いたことを検知するセンサーの故障や誤作動 - 制御基板の不具合
熱動弁への指令を出す基板側の回路異常 - 循環ポンプの不調
ポンプの故障により弁に十分な圧力がかからない - 配管の詰まり
循環経路に水あかやゴミが詰まり弁が開けない - 一時的な動作不良
電気的ノイズや瞬間的な接触不良による誤検知
エラーコード662の直し方・対処法
662エラーの対処法は以下の通りです。
- 追い焚き機能の使用をストップする
- 給湯器のリモコンの電源を切る
- 給湯器本体の電源を切る
- 5分ほど待ってから給湯器の電源を入れ直す
- リモコンの電源を入れ直す
上記の方法を試して、662エラーが消えたら追い焚き機能が使えるか試してください。
追い焚きができない場合は再度662エラーが出ます。その場合は故障の可能性が高いので、使用をストップし、速やかに当社までお問い合わせください。
ユーザーができるセルフチェック
- リモコン表示の確認
エラーが一時的なものか、繰り返し表示されるかを記録する - 追い焚き機能の動作確認
追い焚きボタンを押した時の反応を確認する - 循環音の確認
追い焚き時に循環ポンプの音が聞こえるか確認する - 浴槽循環口の確認
浴槽の循環口(フィルター部分)が詰まっていないか確認し、清掃する - 浴槽の水位確認
循環口より水位が低いと追い焚きできないため、適切な水位か確認する - 異常音の確認
給湯器内部から普段と違う音がしないか確認する - 給湯機能の確認
追い焚き以外の給湯機能は正常に動作するか確認する - 他のエラーとの併発確認
662以外のエラーコードが同時に出ていないか確認する - 使用年数の確認
給湯器の設置から何年経過しているか確認する(10年以上は要注意)
給湯器本体カバーの取り外しや内部部品の確認・修理は行わないでください。おいだき熱動弁は給湯器内部の精密な部品で、誤った作業は機器の故障や水漏れのリスクがあります。また、異常な音や水漏れがある場合はすぐに使用を中止し、給水元栓を閉めて修理業者に連絡してください。

直らない場合の原因例と修理の目安
- おいだき熱動弁本体の故障
弁本体の劣化や破損で交換が必要 - 弁の固着
水あかやゴミによる固着で、清掃または交換が必要 - ワックス素子の劣化
温度変化による膨張・収縮機能が失われ交換が必要 - 配線・コネクタの接触不良
経年劣化や湿気により信号が正常に伝わらない - 開弁検知センサーの異常
センサーの故障により正常な開弁を検知できない - 制御基板の異常
熱動弁への指令を出す基板回路の異常 - 循環ポンプの不調
ポンプの故障により循環圧力が不足する - 配管の詰まり
循環経路の水あかやゴミが詰まり、配管清掃が必要
修理費用の目安は、点検・診断で1〜2万円台、おいだき熱動弁交換で2〜4万円台、循環ポンプ交換を含む場合は3〜5万円台、基板交換が加わると4〜6万円以上になる場合があります。設置から10年以上経過している機器は、他部品の劣化も進んでいる可能性があるため、本体交換を検討すると安心です。
おいだき熱動弁故障のサイン
以下のような症状が出ている場合、おいだき熱動弁の故障が疑われます。
- 追い焚きができない
追い焚きボタンを押しても機能が作動しない - 追い焚き時間が異常に長い
以前より追い焚きに時間がかかるようになった - 循環音がしない
追い焚き時に循環ポンプの音が聞こえない - 浴槽のお湯が循環しない
循環口からお湯の出入りが確認できない - エラーが頻繁に出る
リセットしても何度も662エラーが表示される - 給湯機能は正常
蛇口からお湯は出るが追い焚きだけができない
これらの症状が見られる場合は、早めに専門業者に点検を依頼することをおすすめします。
熱動弁とは?仕組みを理解する
熱動弁は温度変化によって自動的に開閉する仕組みを持つ部品です。
- ワックス素子の膨張
追い焚き開始時に熱が加わるとワックスが膨張し、弁を押し開く - 自動制御
電気的な制御なしで温度のみで開閉するシンプルな構造 - 省エネ設計
電力を使わずに動作するため省エネ性に優れる - 経年劣化
ワックス素子は使用を重ねると劣化し、膨張・収縮の機能が低下する
この仕組みのため、熱動弁は定期的な交換が必要な消耗品と考えられています。
定期的なメンテナンスの重要性
おいだき熱動弁は使用頻度の高い部品で、経年劣化による故障が起きやすい箇所です。以下のような定期メンテナンスが有効です。
- 年1回の定期点検
専門業者による動作確認と清掃 - 浴槽循環口の定期清掃
月1回程度、循環口フィルターを取り外して清掃する - 配管の洗浄
年1〜2回、追い焚き配管の洗浄を行う - 異常の早期発見
追い焚き時間や循環音に普段から注意する - 入浴剤の使用に注意
一部の入浴剤は配管や熱動弁に悪影響を与える可能性がある
定期的なメンテナンスにより、662エラーの発生を予防できます。
662エラーはDIYでの修理はNG
給湯器の交換・修理は無資格ではできません。ガス可とう管接続工事監督者・給水装置工事主任技術者など複数の資格が必要です。
無資格者が給湯器を修理・交換した場合、ガス漏れによる一酸化炭素中毒などの深刻な事故のリスクが有りますので、絶対に行わないで下さい。無資格で電気工事を行うと、電気工事士法違反となり、30万円以下の罰金または1年以下の懲役が科される可能性があります。同様に、無資格でガス工事を行うと、50万円以下の罰金が科される可能性があります。
また、DIYで手を加えられた給湯器については、メーカーの一切の保証対象外になりますので、給湯器の交換は必ず専門業者に依頼しましょう。
給湯器の修理・補修は、DIYでも可能な箇所もありますが、主に外部に露出している部分のみとなりますので、不測のエラーが出た際には、まずは当社までお問い合わせ下さい。

給湯器の修理の費用は?
| 小さな修理 (パイプの漏れ、センサーの調整など) | 5,000円〜15,000円 |
|---|---|
| 中程度の修理 (バルブの交換、配線の修理など) | 15,000円〜30,000円 |
| 大規模な修理 (ヒートエクスチェンジャーの交換、ガスバーナーの修理など) | 30,000円〜50,000円以上 |
給湯器の修理費用は、問題の種類や部品の交換が必要かどうかによって大きく変動します。不具合の症状だけで事前に金額を確定させるのは難しく、事前見積もりはあくまでもおおよその金額しか提示されず、基本的には実物の点検をしてから修理費用を算出します。
特に大規模な修理が必要になった場合、100,000円以上かかる場合もありますので、給湯器を交換したほうがオトクな場合もあります。

給湯器を交換する際の費用は?
給湯器交換を依頼できる業者には主に
- 給湯器交換専門店
- ホームセンター
- ガス会社
- 家電量販店
などがありますが、最も安いのは給湯器交換専門の業者です。
ホームセンターや家電量販店は、付近の施工業者を下請けとして使う窓口になっているだけですし、ガス会社はガスの契約やプロパンガス交換などが主業であって、給湯器交換は下請けやグループ会社に投げているケースが多くあります。
そのため、中間マージンが発生し値段が高くなる傾向があるので、給湯器の交換は専門業者に直接依頼するのがオススメです。
給湯器交換の依頼先は?
当サイトでは関東地方でオススメの給湯器業者を紹介しています。給湯器を交換する際の大事なポイントなども解説していますので、給湯器業者をお探しの方は参考にしてみてください。
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