エラーコード661は、バイパスサーボの異常を検知した際に発生するエラーです。
この記事では
- エラーコード661が表示される原因
- エラーコード661の直し方・対処法
- エラーコード661を直せない場合の修理・交換
について詳しく解説しています。

黒川精一 (SKG株式会社代表取締役)
「液化石油ガス設備士」「ガス消費機器設置工事監督者」「TES工事士」「第二種電気工事士」など給湯器関連の多数の資格を持つ「給湯器」の専門家。三菱電機・ジャパン建材・東京ガス関連会社など住宅設備機器関連会社に従事した経験を元に、創業50周年の歴史を持つSKG株式会社の代表取締役に就任。
給湯器のエラーコード661とは?表示される原因
給湯器のエラーコード「661」は、バイパスサーボの不具合を検知した際に発生するエラーです。バイパスサーボとは、給湯温度を調整するために水の流れを制御する部品で、お湯の温度を一定に保つために重要な役割を担っています。このサーボや配線に異常があると、エラーコード661が表示されて給湯器の運転を停止します。
温度制御に直結する部分のエラーのため、早急な原因の特定が求められます。
バイパスサーボの役割
- 給湯温度の調整
設定温度に応じて水とお湯の混合比率を調整する - 湯温の安定化
水流量や水温の変化に応じて即座に調整し、安定した湯温を供給する - 水の流路制御
バイパス弁を開閉して、熱交換器を通る水量とバイパスする水量のバランスを取る - 高温保護機能
異常な高温になるのを防ぎ、安全な運転を確保する
主な発生原因
- バイパスサーボモーターの故障
モーター本体の経年劣化や内部部品の破損 - サーボ駆動部の固着
長期間使用により弁やギア部分が固まって動かなくなる - 配線・コネクタの接触不良
経年劣化や湿気による断線やショート - サーボの位置検出センサー異常
弁の位置を検出するセンサーの故障や誤作動 - 制御基板の不具合
サーボへの指令を出す基板側の回路異常 - 水路の詰まり
水あかやゴミが詰まりサーボが正常に動作できない - 電圧異常
電源電圧の不安定によりサーボが正常に作動しない - 一時的な動作不良
電気的ノイズや瞬間的な接触不良による誤検知
エラーコード661の直し方・対処法
661エラーの対処法は以下の通りです。
- 全てのお湯の使用をストップする
- 給湯器のリモコンの電源を切る
- 給湯器本体の電源を切る
- 5分ほど待ってから給湯器の電源を入れ直す
- リモコンの電源を入れ直す
上記の方法を試して、661エラーが消えたらお湯が出るか試してください。
お湯が出ない場合は再度661エラーが出ます。その場合は故障の可能性が高いので、使用をストップし、速やかに当社までお問い合わせください。
ユーザーができるセルフチェック
- リモコン表示の確認
エラーが一時的なものか、繰り返し表示されるかを記録する - 湯温の変化確認
エラー発生前に設定温度と実際の湯温に大きな差がなかったか確認する - 水圧の確認
水圧が極端に弱くないか、または強すぎないか確認する - 異常音の確認
給湯器内部から普段と違う音(モーター音やギア音)がしないか確認する - お湯の出方の確認
お湯が出たり出なかったり、温度が安定しないなどの症状がないか確認する - 給湯器周辺の環境確認
本体が濡れていないか、極端に寒い環境でないかを確認する - 他のエラーとの併発確認
661以外のエラーコードが同時に出ていないか確認する - 使用年数の確認
給湯器の設置から何年経過しているか確認する(10年以上は要注意)
給湯器本体カバーの取り外しや内部部品の確認・修理は行わないでください。バイパスサーボは給湯器内部の精密な部品で、誤った作業は機器の故障や水漏れのリスクがあります。また、異常な音や水漏れがある場合はすぐに使用を中止し、給水元栓を閉めて修理業者に連絡してください。

直らない場合の原因例と修理の目安
- バイパスサーボモーターの故障
モーター本体の劣化や破損で交換が必要 - サーボ駆動部の固着
弁やギア部分の固着により動作不良が発生、分解清掃または交換が必要 - 配線・コネクタの接触不良
経年劣化や湿気により信号が正常に伝わらない - 位置検出センサーの異常
サーボの位置を正確に検出できず交換が必要 - 制御基板の異常
サーボへの指令を出す基板回路の異常 - 水路の詰まり
水あかやゴミが詰まり、水路清掃が必要
修理費用の目安は、点検・診断で1〜2万円台、バイパスサーボ交換で2〜4万円台、水路清掃を含む場合は3〜5万円台、基板交換が加わると4〜6万円以上になる場合があります。設置から10年以上経過している機器は、他部品の劣化も進んでいる可能性があるため、本体交換を検討すると安心です。
バイパスサーボ故障のサイン
以下のような症状が出ている場合、バイパスサーボの故障が疑われます。
- 設定温度と実際の湯温が大きく異なる
40℃に設定しているのに熱湯や冷水が出る - 湯温が安定しない
使用中に急に熱くなったり冷たくなったりする - モーター音やギア音が聞こえる
給湯器内部から異常な動作音がする - お湯が出たり止まったりする
断続的にしかお湯が供給されない - エラーが頻繁に出る
リセットしても何度も661エラーが表示される
これらの症状が見られる場合は、早めに専門業者に点検を依頼することをおすすめします。
定期的なメンテナンスの重要性
バイパスサーボは使用頻度の高い部品で、経年劣化による故障が起きやすい箇所です。以下のような定期メンテナンスが有効です。
- 年1回の定期点検
専門業者による動作確認と清掃 - 水質管理
水あかが溜まりにくいよう、定期的な水抜きや清掃を行う - 異常の早期発見
湯温の変化や異常音に普段から注意する - 使用環境の改善
極端に寒い場所や湿気の多い場所での使用を避ける
定期的なメンテナンスにより、661エラーの発生を予防できます。
661エラーはDIYでの修理はNG
給湯器の交換・修理は無資格ではできません。ガス可とう管接続工事監督者・給水装置工事主任技術者など複数の資格が必要です。
無資格者が給湯器を修理・交換した場合、ガス漏れによる一酸化炭素中毒などの深刻な事故のリスクが有りますので、絶対に行わないで下さい。無資格で電気工事を行うと、電気工事士法違反となり、30万円以下の罰金または1年以下の懲役が科される可能性があります。同様に、無資格でガス工事を行うと、50万円以下の罰金が科される可能性があります。
また、DIYで手を加えられた給湯器については、メーカーの一切の保証対象外になりますので、給湯器の交換は必ず専門業者に依頼しましょう。
給湯器の修理・補修は、DIYでも可能な箇所もありますが、主に外部に露出している部分のみとなりますので、不測のエラーが出た際には、まずは当社までお問い合わせ下さい。

給湯器の修理の費用は?
| 小さな修理 (パイプの漏れ、センサーの調整など) | 5,000円〜15,000円 |
|---|---|
| 中程度の修理 (バルブの交換、配線の修理など) | 15,000円〜30,000円 |
| 大規模な修理 (ヒートエクスチェンジャーの交換、ガスバーナーの修理など) | 30,000円〜50,000円以上 |
給湯器の修理費用は、問題の種類や部品の交換が必要かどうかによって大きく変動します。不具合の症状だけで事前に金額を確定させるのは難しく、事前見積もりはあくまでもおおよその金額しか提示されず、基本的には実物の点検をしてから修理費用を算出します。
特に大規模な修理が必要になった場合、100,000円以上かかる場合もありますので、給湯器を交換したほうがオトクな場合もあります。

給湯器を交換する際の費用は?
給湯器交換を依頼できる業者には主に
- 給湯器交換専門店
- ホームセンター
- ガス会社
- 家電量販店
などがありますが、最も安いのは給湯器交換専門の業者です。
ホームセンターや家電量販店は、付近の施工業者を下請けとして使う窓口になっているだけですし、ガス会社はガスの契約やプロパンガス交換などが主業であって、給湯器交換は下請けやグループ会社に投げているケースが多くあります。
そのため、中間マージンが発生し値段が高くなる傾向があるので、給湯器の交換は専門業者に直接依頼するのがオススメです。
給湯器交換の依頼先は?
当サイトでは関東地方でオススメの給湯器業者を紹介しています。給湯器を交換する際の大事なポイントなども解説していますので、給湯器業者をお探しの方は参考にしてみてください。
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