エラーコード323は、暖房回路の低温サーミスタ(温度センサー)の異常を検知した際に発生するエラーです。
この記事では
- エラーコード323が表示される原因
- エラーコード323の直し方・対処法
- エラーコード323を直せない場合の修理・交換
について詳しく解説しています。

黒川精一 (SKG株式会社代表取締役)
「液化石油ガス設備士」「ガス消費機器設置工事監督者」「TES工事士」「第二種電気工事士」など給湯器関連の多数の資格を持つ「給湯器」の専門家。三菱電機・ジャパン建材・東京ガス関連会社など住宅設備機器関連会社に従事した経験を元に、創業50周年の歴史を持つSKG株式会社の代表取締役に就任。
給湯器のエラーコード323とは?表示される原因
給湯器のエラーコード「323」は、暖房回路の低温サーミスタ(温度センサー)の不具合を検知した際に発生するエラーです。暖房低温サーミスタとは、床暖房や浴室暖房などの温水暖房回路の戻り温度を監視して、適切な暖房制御を行うための重要な部品です。この部品や配線に異常があると、エラーコード323と表示されて暖房運転を停止します。
給湯機能は使用できることが多いですが、暖房機能が正常に作動しない状態です。
暖房機能の制御に関わる部分のエラーのため、早急な原因の特定が求められます。
高温サーミスタ(313)と低温サーミスタ(323)の違い
- 高温サーミスタ(313エラー)
暖房回路の出口側(給湯器から暖房端末へ送る温水)の温度を監視 - 低温サーミスタ(323エラー)
暖房回路の戻り側(暖房端末から給湯器に戻る温水)の温度を監視
両方のセンサーで温度差を測定し、適切な暖房能力を制御しています。
主な発生原因
- 暖房低温サーミスタ(温度センサー)の故障
センサー素子の経年劣化や破損 - 配線・コネクタの接触不良
経年劣化や湿気による断線やショート - センサーの取り付け不良
サーミスタが正しい位置に設置されていない - 制御基板の不具合
温度信号を受信する基板側の回路異常 - 暖房回路の循環不良
循環ポンプの不具合や配管の詰まり - 暖房配管のエア噛み
配管内に空気が混入し温度検知が不安定 - 一時的なノイズ・誤検知
電気的ノイズや瞬間的な接触不良
エラーコード323の直し方・対処法
323エラーの対処法は以下の通りです。
- 暖房運転(床暖房・浴室暖房など)を停止する
- 給湯器のリモコンの電源を切る
- 給湯器本体の電源を切る
- 5分ほど待ってから給湯器の電源を入れ直す
- リモコンの電源を入れ直す
上記の方法を試して、323エラーが消えたら暖房機能が正常に動作するか確認してください。
エラーが消えない、または暖房が正常に作動しない場合は故障の可能性が高いので、使用をストップし、速やかに当社までお問い合わせください。
ユーザーができるセルフチェック
- リモコン表示の確認
エラーが一時的なものか、繰り返し表示されるかを記録する - 暖房端末の確認
床暖房や浴室暖房乾燥機のスイッチが正常に作動しているか確認する - 給湯機能の確認
キッチンや浴室でお湯が正常に出るか確認する(給湯機能は別系統) - 給湯器周辺の環境確認
本体が濡れていないか、排気口が塞がれていないかを確認する - 暖房配管の確認
暖房配管に水漏れや凍結の痕跡がないか目視で確認する - 季節による使用状況の確認
長期間暖房を使用していなかった場合は、システムの不具合の可能性を考慮する - 暖房の効き具合の確認
エラーが出る前から暖房の効きが悪くなっていなかったか振り返る - 他のエラーとの併発確認
323以外のエラーコードが同時に出ていないか確認する
給湯器本体カバーの取り外しや内部部品の確認・修理は行わないでください。暖房低温サーミスタは給湯器内部に設置されており、誤った作業は感電・漏水・ガス漏れのリスクがあります。再操作しても同様のエラーが出る場合は、使用を中止して点検をご依頼ください。

直らない場合の原因例と修理の目安
- 暖房低温サーミスタ(温度センサー)の故障
センサー素子の劣化や破損で交換が必要 - 配線・コネクタの接触不良
経年劣化や湿気により信号が正常に伝わらない - 制御基板の不具合
温度信号を処理する基板回路の異常 - 暖房循環ポンプの故障
ポンプが正常に作動せず暖房回路の循環不良 - 暖房配管のエア抜き不良
配管内の空気が抜けきらず温度検知が不安定 - 暖房熱交換器の詰まり
スケールや異物により循環不良が発生
修理費用の目安は、点検・診断で1〜2万円台、暖房低温サーミスタ交換で2〜3万円台、暖房循環ポンプ交換で2〜4万円台、基板交換が加わると4〜6万円以上になる場合があります。設置から10年以上経過している機器は、他部品の劣化も進んでいる可能性があるため、本体交換を検討すると安心です。
暖房機能と給湯機能の関係
323エラーは暖房回路のエラーのため、給湯機能(キッチンや浴室の蛇口・シャワー)は通常通り使用できることが多いです。ただし、以下の機能は使用できなくなります。
- 床暖房
- 浴室暖房乾燥機(温水式)
- 温水パネルヒーター
- その他の温水暖房機器
冬場は暖房機能が使えないと不便なため、早めの修理をおすすめします。
323エラーはDIYでの修理はNG
給湯器の交換・修理は無資格ではできません。ガス可とう管接続工事監督者・給水装置工事主任技術者など複数の資格が必要です。
無資格者が給湯器を修理・交換した場合、ガス漏れによる一酸化炭素中毒などの深刻な事故のリスクが有りますので、絶対に行わないで下さい。無資格で電気工事を行うと、電気工事士法違反となり、30万円以下の罰金または1年以下の懲役が科される可能性があります。同様に、無資格でガス工事を行うと、50万円以下の罰金が科される可能性があります。
また、DIYで手を加えられた給湯器については、メーカーの一切の保証対象外になりますので、給湯器の交換は必ず専門業者に依頼しましょう。
給湯器の修理・補修は、DIYでも可能な箇所もありますが、主に外部に露出している部分のみとなりますので、不測のエラーが出た際には、まずは当社までお問い合わせ下さい。

給湯器の修理の費用は?
| 小さな修理 (パイプの漏れ、センサーの調整など) | 5,000円〜15,000円 |
|---|---|
| 中程度の修理 (バルブの交換、配線の修理など) | 15,000円〜30,000円 |
| 大規模な修理 (ヒートエクスチェンジャーの交換、ガスバーナーの修理など) | 30,000円〜50,000円以上 |
給湯器の修理費用は、問題の種類や部品の交換が必要かどうかによって大きく変動します。不具合の症状だけで事前に金額を確定させるのは難しく、事前見積もりはあくまでもおおよその金額しか提示されず、基本的には実物の点検をしてから修理費用を算出します。
特に大規模な修理が必要になった場合、100,000円以上かかる場合もありますので、給湯器を交換したほうがオトクな場合もあります。

給湯器を交換する際の費用は?
給湯器交換を依頼できる業者には主に
- 給湯器交換専門店
- ホームセンター
- ガス会社
- 家電量販店
などがありますが、最も安いのは給湯器交換専門の業者です。
ホームセンターや家電量販店は、付近の施工業者を下請けとして使う窓口になっているだけですし、ガス会社はガスの契約やプロパンガス交換などが主業であって、給湯器交換は下請けやグループ会社に投げているケースが多くあります。
そのため、中間マージンが発生し値段が高くなる傾向があるので、給湯器の交換は専門業者に直接依頼するのがオススメです。
給湯器交換の依頼先は?
当サイトでは関東地方でオススメの給湯器業者を紹介しています。給湯器を交換する際の大事なポイントなども解説していますので、給湯器業者をお探しの方は参考にしてみてください。
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