エラーコード16(給湯専用機)または161(ふろ給湯器)は、沸騰検知・給湯沸騰検知を示すエラーです。給湯器内部でお湯が異常に高温になり、安全装置が作動して運転を停止した状態を意味します。お湯が100℃近くまで達した場合や、水流が極端に弱くなるとセンサーが作動します。放置すると機器の故障や火傷の恐れがあるため、速やかな点検が必要です。
この記事では
- エラーコード16/161の意味と原因
- 自分でできる初期対応と確認ポイント
- 修理・交換が必要なケースと費用の目安

黒川精一 (SKG株式会社代表取締役)
「液化石油ガス設備士」「ガス消費機器設置工事監督者」「TES工事士」「第二種電気工事士」など給湯器関連の多数の資格を持つ「給湯器」の専門家。三菱電機・ジャパン建材・東京ガス関連会社など住宅設備機器関連会社に従事した経験を元に、創業50周年の歴史を持つSKG株式会社の代表取締役に就任。
給湯器のエラーコード16/161とは?
エラー16/161は、沸騰状態を検知した際に作動する安全停止です。内部の温度センサーが一定温度を超えると自動的に燃焼を停止し、機器を保護します。通常の運転中でも水流が弱まったり、熱交換器に汚れが溜まることで冷却が追いつかなくなると、温度が急上昇してこのエラーが発生します。
このエラーは、異常高温を防ぐための安全装置が正常に働いている証拠でもあります。ただし、原因を取り除かないまま再使用を繰り返すと、センサーや熱交換器にダメージを与えるおそれがあります。
エラー16/161が出たときの対処法
1. 給湯器の運転を停止して再操作する
まずはリモコンの運転スイッチを一旦「切」にして、数十秒後に「入」に戻すことでリセットを試みます。これはセンサーが一時的に反応しただけの場合に有効です。再操作後にエラー表示が消えれば、内部温度が正常に戻ったことを意味します。
ただし、再び同じエラーが出る場合は、内部で温度上昇が繰り返されている可能性があるため、使用を中止してください。
2. お湯の出が弱くないか確認する
水圧が弱いと水の流れが悪くなり、熱交換器内でお湯が循環せずに沸騰してしまいます。蛇口を複数同時に使用していないか、またはフィルターが詰まっていないかを確認してください。特に台所や洗面所のストレーナー(網)部分に汚れが溜まっている場合、掃除で改善することがあります。
3. 外気温や使用環境の影響を確認する
外気温が高い季節や直射日光の当たる場所に設置されている場合、内部温度が上昇しやすくなります。また、吸排気口の周囲にゴミや虫の巣が詰まっていないかも確認してください。排気が妨げられると燃焼効率が落ち、過熱状態になりやすくなります。
4. 再発する場合は使用を中止し、修理を依頼する
再起動を行っても何度もエラーが出る場合、内部の温度センサーや熱交換器の劣化が考えられます。特に10年以上経過した給湯器では、部品の熱劣化による過熱検知が起こりやすくなります。使用を中止し、メーカーまたは専門業者に修理依頼を行ってください。
何度もリセットして使用を続けるのは危険です。過熱状態のまま稼働させると、熱交換器の損傷や温度ヒューズの焼損を招くおそれがあります。異音・焦げ臭・煙などが出た場合は、直ちに使用を中止してください。
想定される原因と修理が必要なケース
- 熱交換器内部のススや汚れによる冷却不良
- 水流センサーの故障や水圧低下による循環不良
- 温度センサー(サーミスタ)の誤作動・断線
- 基板制御の不具合(過熱判定エラー)
これらはいずれも内部部品の交換や分解清掃を伴うため、ユーザー自身での修理は危険です。必ず専門業者に依頼してください。
修理・交換費用の目安
過熱関連エラーの修理費用は、概ね20,000円〜40,000円前後が一般的です。センサーや基板交換を伴う場合は、さらに高額(40,000〜60,000円)になるケースもあります。設置から10年以上経過している場合は、修理よりも本体交換を検討した方が経済的です。
よくある質問
Q:リセット後に使えるようになった場合、そのまま使用しても大丈夫ですか?
一時的なセンサー反応であれば使用可能ですが、再発する場合は必ず点検が必要です。特にお湯の温度が異常に高く感じる場合は危険です。
Q:水圧が弱いとエラーが出やすいのはなぜ?
水流が少ないと、熱交換器で熱がこもりやすく、沸騰検知が作動します。特にシャワーヘッドの詰まりや同時使用が原因の場合もあるため、まずは流量を確認してください。
Q:エラー16が頻発する場合は交換した方が良いですか?
10年以上使用している給湯器で頻発する場合、内部の熱効率が低下している可能性が高いため、本体交換を検討するのが安全です。最新機種ではエコジョーズなどの高効率設計で再発を防止できます。