パナソニック製エコキュートのエラーコード「H94」は、貯湯ユニットとヒートポンプユニット間で水が正常に循環しないことを示しています。このエラーが表示されると、ユニット間の水循環に問題があり、エコキュートの運転が制限される可能性があります。特に配管の誤接続や凍結が原因となることが多いため、注意が必要です。
この記事では、
- エラーコードH94が表示される原因
- エラーコードH94の直し方・対処法
- エラーコードH94を直せない場合の修理・交換
について詳しく解説しています。

黒川精一 (SKG株式会社代表取締役)
「液化石油ガス設備士」「ガス消費機器設置工事監督者」「TES工事士」「第二種電気工事士」など給湯器関連の多数の資格を持つ「給湯器」の専門家。三菱電機・ジャパン建材・東京ガス関連会社など住宅設備機器関連会社に従事した経験を元に、創業50周年の歴史を持つSKG株式会社の代表取締役に就任。
エコキュートのエラーコードH93とは?表示される原因
パナソニックエコキュートのエラーコード「H94」は、貯湯ユニットとヒートポンプユニット間の水循環に異常があることを示しています。このエラーが表示されると、エコキュートの運転が制限される可能性があります。特に冬季には、配管の凍結が主な原因となることが多いため、注意が必要です。
主な原因:
- 配管系統の問題: エアーの混入、水側バルブの閉止、配管の詰まりや凍結により、水が正常に循環できなくなります。
- 給水系統の異常: 給水元栓が閉まっている、または配管が凍結することで、適切な水量が確保できなくなります。
- ノズルの詰まり: タンク上部のノズルに異物や水垢が詰まることで、正常な水循環が妨げられます。
- ヒートポンプ配管の誤接続: 入水・出湯配管の接続ミスにより、循環が正常に行われないことがあります。
これらの原因により、エラーコード「H94」が表示されることがあります。エラーが発生した場合は、速やかに原因を特定し、適切な対処を行うことが重要です。特に凍結が原因の場合は、適切な解凍方法で対応する必要があります。
エラーコードH93の直し方・対処法
原因は複数考えられますが、まずは以下の方法を試してください。
システムのリセット
- リモコンからのリセット: 台所リモコンの「時計合わせスイッチ」と「給湯温度スイッチ」を同時に3秒以上押し、エラーを強制解除します。
- 貯湯タンクユニットからのリセット: 貯湯タンクユニットの漏電遮断器を1分間「切」にし、再度「入」にすることでリセットを行います。
配管系統の確認
循環不良の原因を特定するため、以下の点検を行ってください。
- バルブの確認: 水側バルブが「開」になっているか確認します。
- 給水元栓の確認: 給水元栓が「開」になっているか確認します。
- エアー抜きの実施: 配管内に空気が溜まっている可能性があるため、エアー抜きを行います。
凍結の確認と対処(特に冬季)
凍結している可能性がある場合、以下の確認と対処を行ってください。
- 配管の凍結確認: 配管に触れて固く冷たくなっていないか確認します。
- 凍結部分の特定: どの部分が凍結しているか慎重に確認します。
- 適切な解凍: 専用の解凍手順に従って、慎重に解凍を行います。
ノズルと配管の点検
水の循環を妨げる要因がないか、以下の点検を行ってください。
- ノズルの清掃: タンク上部のノズルに詰まりがないか確認し、必要に応じて清掃します。
- 配管の詰まり確認: 配管に詰まりや異物がないか確認します。
- 逆止弁の確認: 誤って逆止弁が設置されていないか確認します。
エコキュート本体の分解清掃はNG
外から見える範囲には異物が無い場合でも、エコキュート本体の奥深くに異物が混入してしまい、エラーが解除されないケースもあります。その場合、エコキュート本体を一旦分解して清掃する必要がありますが、DIYで分解清掃は行わないで下さい。
エコキュートはガスを取り扱う器具で、分解・組み立て時に何らかの不具合が起きた場合、ガス漏れ等の重大事故につながる恐れがあります。エラーH94がどうしても解除されない場合には、一度お問い合わせください。
それでもエラーが回復しない場合は故障の可能性アリ
これまでの対処法を試してもエラーコード「H94」が解消されない場合、貯湯ユニット~ヒートポンプユニット間の循環に重大な問題が発生している可能性があります。主な原因としては、配管系統の重大な詰まりや折れ、凍結による深刻な障害、またはヒートポンプ配管の誤接続や沸き上げポンプの重大な不具合が考えられます。このような場合、専門的な知識と技術が必要となるため、自力での修理は危険を伴う可能性があり、メーカーや専門の修理業者に依頼することをおすすめします。
これらの対応により、異常箇所を正確に特定し、適切な修理や交換を行うことができます。特に、水の循環系統の異常は機器の基本性能に大きく影響し、放置すると配管の破損や他の部品への悪影響につながる可能性があるため、迅速な対応が必要です。冬季に凍結が原因の場合は、特に慎重な対応が求められます。
また、エコキュートが保証期間内であれば、無償修理の対象となる可能性があります。保証書を確認し、必要に応じてメーカーや販売店に連絡して対応を依頼してください。循環水系統の異常はエコキュートの基本的な動作に関わる重大な問題となるため、早めの対応を行うことで、不具合の拡大や二次的な故障を防ぐことができます。特に凍結による問題は、放置すると配管の破裂など深刻な故障につながる可能性があるため、早急な対応が重要です。


エコキュートの修理・交換は自分でできる?
一般の方が自身でエコキュートの修理や交換を行うことは、以下の理由から避けるべきです。
エコキュートの修理や交換作業には法的な資格が必要です。「液化石油ガス設備士法」により、エコキュートの設置や修理は有資格者のみが行えることが定められています。
液化石油ガス設備工事の欠陥等による災害発生の防止のため、ガス栓と硬質管を接続する作業など特別な技能を必要とし、かつ、災害の発生防止に特に重要と認められる作業については、液化石油ガス設備士が従事しなくてはなりません。
また、無資格での作業は重大な事故を引き起こす可能性があります。具体的には

上記のような危険があります。
さらに、自分で修理や交換を行った場合、メーカー保証が無効になってしまう恐れもあります。
このように、エコキュートに関する作業には様々なリスクが伴います。そのため、修理や交換が必要な際は、必ず信頼できる専門業者に依頼するのをオススメします。

エコキュートの修理の費用は?
症状 | 修理費用の目安 |
---|---|
電源が入らない場合 | 14,000円~45,000円 |
お風呂の自動運転が反応しない場合 | 14,000円~45,000円 |
水漏れの場合 | 14,000円~45,000円 |
お湯が出ない、お湯が沸かない場合 | 16,000円~45,000円 |
リモコンが点灯しない場合 | 19,000円~45,000円 |
エラーコードが表示される場合 | 14,000円~156,000円 |
エコキュート給湯器の修理費用は、部品代、技術料、出張料を含む概算であり、故障の内容や部品の交換内容によって大きく変動します。修理費用を抑えるためには日頃からのメンテナンスが重要で、定期的な点検や清掃を行い、故障のリスクを抑えることが出来ます。
保証期間内であれば、修理費用が無料または割引になる場合がありますので、故障の際は保証内容を確認しましょう。
特に大規模な修理が必要になった場合、100,000円以上かかる場合もありますので、エコキュートを交換したほうがオトクな場合もあります。
エコキュートを交換する際の費用は?
エコキュート交換を依頼できる業者には主に
- エコキュート交換専門店
- ホームセンター
- ガス会社
- 家電量販店
などがありますが、最も安いのはエコキュート交換専門の業者です。
ホームセンターや家電量販店は、実際には地域の施工業者へ依頼を回す窓口の役割を果たしています。また、ガス会社もエコキュートの交換は自社で行わず、関連会社や下請け業者に任せることが多いのが現状です。
そのため、これらの業者に依頼すると中間マージンが発生し、費用が高くなる傾向があります。コストを抑えるためには、エコキュート交換専門の業者に直接依頼することが一番おすすめです。
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