パナソニック製エコキュートのエラーコード「F27」は、圧力スイッチ(HPS)の断線が発生していることを示しています。このエラーが表示されると、圧力管理の異常によりエコキュートの運転が制限される可能性があります。
この記事では、
- エラーコードF27が表示される原因
- エラーコードF27の直し方・対処法
- エラーコードF27を直せない場合の修理・交換
について詳しく解説します。

黒川精一 (SKG株式会社代表取締役)
「液化石油ガス設備士」「ガス消費機器設置工事監督者」「TES工事士」「第二種電気工事士」など給湯器関連の多数の資格を持つ「給湯器」の専門家。三菱電機・ジャパン建材・東京ガス関連会社など住宅設備機器関連会社に従事した経験を元に、創業50周年の歴史を持つSKG株式会社の代表取締役に就任。
エコキュートのエラーコードF27とは?表示される原因
パナソニックエコキュートのエラーコード「F27」は、圧力スイッチ(HPS)に断線が発生していることを示しています。このエラーが表示されると、圧力管理システムの異常によりエコキュートの運転が制限される可能性があります。
主な原因:
- 圧力スイッチの配線不良: 圧力スイッチ(HPS)のリード線が断線したり、接続が緩んだりすることで、正常な信号が送れなくなります。
- リアクタの配線問題: リアクタのリード線が断線したり、接続不良を起こすことで、適切な電気信号の伝達ができなくなります。
- コネクタの接続不良: 各種コネクタの接続が緩んだり外れたりすることで、電気系統に不具合が生じます。
- プリント基板の不具合: プリント基板の故障により、圧力スイッチからの信号を正しく処理できなくなることがあります。
これらの原因により、エラーコード「F27」が表示されることがあります。エラーが発生した場合は、速やかに原因を特定し、適切な対処を行うことが重要です。特に圧力管理は機器の安全運転に直接関わる重要な機能のため、早急な対応が必要です。
エラーコードF27の直し方・対処法
原因は複数考えられますが、まずは以下の方法を試してください。
システムのリセット
- リモコンからのリセット: 台所リモコンの「時計合わせスイッチ」と「給湯温度スイッチ」を同時に3秒以上押し、エラーを強制解除します。
- 貯湯タンクユニットからのリセット: 貯湯タンクユニットの漏電遮断器を1分間「切」にし、再度「入」にすることでリセットを行います。
外観の確認
安全に目視できる範囲で、以下の点検を行ってください。
- コネクタの確認: 外部から確認できる範囲で、コネクタに緩みや外れがないか確認します。
- 配線の目視点検: 露出している配線に明らかな損傷や断線がないか確認します。
- 異常な振動の確認: 運転時に機器に異常な振動がないか確認します。
運転状態の確認
機器の動作状態を確認してください。
- 異音の確認: 運転中に普段と違う音がしていないか確認します。
- 運転状態の観察: 運転開始時や運転中の様子に異常がないか観察します。
- 温度変化の確認: お湯の温度が正常に上昇するか確認します。
使用環境の改善
機器への負担を減らすため、以下の対策を行ってください。
- 衝撃防止: 機器への物の接触や衝撃を避けます。
- 定期的な確認: 毎日の使用時に異常な動作や音がないか注意を払います。
- 使用時間の調整: 連続運転を避け、適度な休止時間を設けます。
エコキュート本体の分解清掃はNG
外から見える範囲には異物が無い場合でも、エコキュート本体の奥深くに異物が混入してしまい、エラーが解除されないケースもあります。その場合、エコキュート本体を一旦分解して清掃する必要がありますが、DIYで分解清掃は行わないで下さい。
エコキュートはガスを取り扱う器具で、分解・組み立て時に何らかの不具合が起きた場合、ガス漏れ等の重大事故につながる恐れがあります。エラーF27がどうしても解除されない場合には、一度お問い合わせください。
それでもエラーが回復しない場合は故障の可能性アリ
これまでの対処法を試してもエラーコード「F27」が解消されない場合、圧力スイッチの断線、リアクタのリード線の不具合、またはプリント基板の故障が発生している可能性があります。このような場合、専門的な知識と技術が必要となるため、自力での修理は危険を伴い、メーカーや専門の修理業者に依頼することをおすすめします。
専門家による点検を受けることで、圧力スイッチ(HPS)の詳細な診断、リード線やコネクタの接続状態確認、プリント基板の動作チェックなどを行い、異常箇所を正確に特定し、適切な修理や交換が行われます。特に、圧力スイッチの異常は機器の安全制御に関わる重要な問題であり、システムの故障や安全性の低下につながる可能性があるため、迅速な対応が必要です。
また、エコキュートが保証期間内であれば、無償修理の対象となる可能性があります。保証書を確認し、必要に応じてメーカーや販売店に連絡して対応を依頼してください。圧力スイッチの異常は機器の基本的な安全機能に関わる重大な問題となる可能性があるため、早めの対応を行うことで、事故や不具合の拡大を防ぐことができます。


エコキュートの修理・交換は自分でできる?
一般の方が自身でエコキュートの修理や交換を行うことは、以下の理由から避けるべきです。
エコキュートの修理や交換作業には法的な資格が必要です。「液化石油ガス設備士法」により、エコキュートの設置や修理は有資格者のみが行えることが定められています。
液化石油ガス設備工事の欠陥等による災害発生の防止のため、ガス栓と硬質管を接続する作業など特別な技能を必要とし、かつ、災害の発生防止に特に重要と認められる作業については、液化石油ガス設備士が従事しなくてはなりません。
また、無資格での作業は重大な事故を引き起こす可能性があります。具体的には

上記のような危険があります。
さらに、自分で修理や交換を行った場合、メーカー保証が無効になってしまう恐れもあります。
このように、エコキュートに関する作業には様々なリスクが伴います。そのため、修理や交換が必要な際は、必ず信頼できる専門業者に依頼するのをオススメします。

エコキュートの修理の費用は?
症状 | 修理費用の目安 |
---|---|
電源が入らない場合 | 14,000円~45,000円 |
お風呂の自動運転が反応しない場合 | 14,000円~45,000円 |
水漏れの場合 | 14,000円~45,000円 |
お湯が出ない、お湯が沸かない場合 | 16,000円~45,000円 |
リモコンが点灯しない場合 | 19,000円~45,000円 |
エラーコードが表示される場合 | 14,000円~156,000円 |
エコキュート給湯器の修理費用は、部品代、技術料、出張料を含む概算であり、故障の内容や部品の交換内容によって大きく変動します。修理費用を抑えるためには日頃からのメンテナンスが重要で、定期的な点検や清掃を行い、故障のリスクを抑えることが出来ます。
保証期間内であれば、修理費用が無料または割引になる場合がありますので、故障の際は保証内容を確認しましょう。
特に大規模な修理が必要になった場合、100,000円以上かかる場合もありますので、エコキュートを交換したほうがオトクな場合もあります。
エコキュートを交換する際の費用は?
エコキュート交換を依頼できる業者には主に
- エコキュート交換専門店
- ホームセンター
- ガス会社
- 家電量販店
などがありますが、最も安いのはエコキュート交換専門の業者です。
ホームセンターや家電量販店は、実際には地域の施工業者へ依頼を回す窓口の役割を果たしています。また、ガス会社もエコキュートの交換は自社で行わず、関連会社や下請け業者に任せることが多いのが現状です。
そのため、これらの業者に依頼すると中間マージンが発生し、費用が高くなる傾向があります。コストを抑えるためには、エコキュート交換専門の業者に直接依頼することが一番おすすめです。
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