パナソニック製エコキュートのエラーコード「F24」は、冷凍サイクルに異常が発生していることを示しています。このエラーが表示されると、冷凍サイクルの不具合によりエコキュートの運転が制限される可能性があります。
この記事では、
- エラーコードF24が表示される原因
- エラーコードF24の直し方・対処法
- エラーコードF24を直せない場合の修理・交換
について詳しく解説します。

黒川精一 (SKG株式会社代表取締役)
「液化石油ガス設備士」「ガス消費機器設置工事監督者」「TES工事士」「第二種電気工事士」など給湯器関連の多数の資格を持つ「給湯器」の専門家。三菱電機・ジャパン建材・東京ガス関連会社など住宅設備機器関連会社に従事した経験を元に、創業50周年の歴史を持つSKG株式会社の代表取締役に就任。
エコキュートのエラーコードF24とは?表示される原因
パナソニックエコキュートのエラーコード「F24」は、冷凍サイクルに異常が発生していることを示しています。このエラーが表示されると、機器の冷凍サイクルが正常に機能せず、エコキュートの運転が制限される可能性があります。
主な原因:
- 配管の接続ミス: タンクに残湯がある状態でヒートポンプ配管の戻り(湯側)と往き(水側)が逆に接続されていることで、適切な熱交換ができなくなります。
- センサーの不具合: 出湯サーミスターが外れることで、温度を正確に検知できなくなり、システムの制御に支障をきたします。
- ポンプの異常: 沸き上げポンプの故障や性能低下により、適切な水の循環ができなくなります。
- 膨張弁の問題: 膨張弁コイルの抵抗値が正常値(20℃で46±3Ω)から外れることで、冷媒の流れが適切に制御できなくなります。
- 冷媒漏れ: システム内の冷媒が漏れることで、冷凍サイクルが正常に機能しなくなります。
これらの原因により、エラーコード「F24」が表示されることがあります。エラーが発生した場合は、速やかに原因を特定し、適切な対処を行うことが重要です。特に冷媒漏れは環境にも影響を与える可能性があるため、早急な対応が必要です。
エラーコードF24の直し方・対処法
原因は複数考えられますが、まずは以下の方法を試してください。
システムのリセット
- リモコンからのリセット: 台所リモコンの「時計合わせスイッチ」と「給湯温度スイッチ」を同時に3秒以上押し、エラーを強制解除します。
- 貯湯タンクユニットからのリセット: 貯湯タンクユニットの漏電遮断器を1分間「切」にし、再度「入」にすることでリセットを行います。
配管接続の確認
配管が正しく接続されているか、以下の点検を安全に行ってください。
- 配管表示の確認: ヒートポンプ配管の「往き」「戻り」の表示を確認し、正しく接続されているか確認します。
- 配管の取り付け確認: 配管の接続部分に緩みや外れがないか確認します。
- 水漏れの確認: 配管接続部からの水漏れがないか確認します。
運転状態の確認
システムが正常に動作しているか、以下の点検を行ってください。
- 異音の確認: 運転中に異常な音がしていないか確認します。
- 給湯温度の確認: お湯の温度が設定温度と大きく違わないか確認します。
- 水の流れの確認: 給湯時に水の流れが極端に弱くなっていないか確認します。
使用環境の改善
システムへの負荷を減らすため、以下の対策を行ってください。
- 使用パターンの見直し: 短時間での大量使用を避け、使用時間を分散させます。
- 温度設定の適正化: 設定温度が極端に高くなっていないか確認します。
- 定期的な休止: 連続使用を避け、適度な休止時間を設けます。
エコキュート本体の分解清掃はNG
外から見える範囲には異物が無い場合でも、エコキュート本体の奥深くに異物が混入してしまい、エラーが解除されないケースもあります。その場合、エコキュート本体を一旦分解して清掃する必要がありますが、DIYで分解清掃は行わないで下さい。
エコキュートはガスを取り扱う器具で、分解・組み立て時に何らかの不具合が起きた場合、ガス漏れ等の重大事故につながる恐れがあります。エラーF24がどうしても解除されない場合には、一度お問い合わせください。
それでもエラーが回復しない場合は故障の可能性アリ
これまでの対処法を試してもエラーコード「F24」が解消されない場合、配管の重大な接続ミス、サーミスターの不具合、沸き上げポンプの故障、膨張弁の異常、または冷媒漏れが発生している可能性があります。このような場合、専門的な知識と技術が必要となるため、自力での修理は危険を伴い、メーカーや専門の修理業者に依頼することをおすすめします。
専門家による点検を受けることで、配管接続状態の詳細確認、各種センサーの動作診断、沸き上げポンプの性能測定、膨張弁コイルの抵抗値測定、冷媒漏れの有無の確認などを行い、異常箇所を正確に特定し、適切な修理や交換が行われます。特に、冷凍サイクルの異常は機器の性能低下だけでなく、冷媒漏れによる環境への影響も懸念されるため、迅速な対応が必要です。
また、エコキュートが保証期間内であれば、無償修理の対象となる可能性があります。保証書を確認し、必要に応じてメーカーや販売店に連絡して対応を依頼してください。冷凍サイクルの異常は機器の基本性能に直接関わる重大な問題となる可能性があるため、早めの対応を行うことで、不具合の拡大や二次的な故障を防ぐことができます。


エコキュートの修理・交換は自分でできる?
一般の方が自身でエコキュートの修理や交換を行うことは、以下の理由から避けるべきです。
エコキュートの修理や交換作業には法的な資格が必要です。「液化石油ガス設備士法」により、エコキュートの設置や修理は有資格者のみが行えることが定められています。
液化石油ガス設備工事の欠陥等による災害発生の防止のため、ガス栓と硬質管を接続する作業など特別な技能を必要とし、かつ、災害の発生防止に特に重要と認められる作業については、液化石油ガス設備士が従事しなくてはなりません。
また、無資格での作業は重大な事故を引き起こす可能性があります。具体的には

上記のような危険があります。
さらに、自分で修理や交換を行った場合、メーカー保証が無効になってしまう恐れもあります。
このように、エコキュートに関する作業には様々なリスクが伴います。そのため、修理や交換が必要な際は、必ず信頼できる専門業者に依頼するのをオススメします。

エコキュートの修理の費用は?
症状 | 修理費用の目安 |
---|---|
電源が入らない場合 | 14,000円~45,000円 |
お風呂の自動運転が反応しない場合 | 14,000円~45,000円 |
水漏れの場合 | 14,000円~45,000円 |
お湯が出ない、お湯が沸かない場合 | 16,000円~45,000円 |
リモコンが点灯しない場合 | 19,000円~45,000円 |
エラーコードが表示される場合 | 14,000円~156,000円 |
エコキュート給湯器の修理費用は、部品代、技術料、出張料を含む概算であり、故障の内容や部品の交換内容によって大きく変動します。修理費用を抑えるためには日頃からのメンテナンスが重要で、定期的な点検や清掃を行い、故障のリスクを抑えることが出来ます。
保証期間内であれば、修理費用が無料または割引になる場合がありますので、故障の際は保証内容を確認しましょう。
特に大規模な修理が必要になった場合、100,000円以上かかる場合もありますので、エコキュートを交換したほうがオトクな場合もあります。
エコキュートを交換する際の費用は?
エコキュート交換を依頼できる業者には主に
- エコキュート交換専門店
- ホームセンター
- ガス会社
- 家電量販店
などがありますが、最も安いのはエコキュート交換専門の業者です。
ホームセンターや家電量販店は、実際には地域の施工業者へ依頼を回す窓口の役割を果たしています。また、ガス会社もエコキュートの交換は自社で行わず、関連会社や下請け業者に任せることが多いのが現状です。
そのため、これらの業者に依頼すると中間マージンが発生し、費用が高くなる傾向があります。コストを抑えるためには、エコキュート交換専門の業者に直接依頼することが一番おすすめです。
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