F20は「吐出管サーミスターの高温検知」を示す代表コードです。まずは安全を確保し、リセット → 室外機まわりの放熱確保 → 設定と使用状況の見直しの順で一次対処を。改善しない場合は早めに点検を依頼してください(型番で意味や解除方法が異なるため、必ず取説も確認)。
この記事では次の内容を解説します
- エラーコードF20が表示される原因
- 自宅で安全にできる直し方・一次対処
- 直らないときの点検内容・修理費用の目安
- 交換を検討するタイミングと注意点

黒川精一 (SKG株式会社代表取締役)
「液化石油ガス設備士」「ガス消費機器設置工事監督者」「TES工事士」「第二種電気工事士」など給湯器関連の多数の資格を持つ「給湯器」の専門家。三菱電機・ジャパン建材・東京ガス関連会社など住宅設備機器関連会社に従事した経験を元に、創業50周年の歴史を持つSKG株式会社の代表取締役に就任。
F20とは — 表示される主な原因
パナソニックエコキュートで冷媒吐出管の温度が規定値を超えたと自己診断した際にF20が表示されます。代表原因は次のとおりです(型番により名称・診断名は異なります)
- 吐出管サーミスターの故障
抵抗値ずれや断線で温度を誤検知し高温判定になる - 膨張弁コイルの不具合
開度制御ができず冷媒が詰まり気味になり吐出温度が上昇 - 冷媒回路の目詰まり・汚れ
配管内のスラッジや乾燥剤劣化で流れが悪化し局所高温 - 冷媒不足・漏えい
圧力バランスが崩れ圧縮比が上がって吐出温度が上がる - 熱交換器の目詰まり・ファン停止
室外機フィンの汚れやファン不良で放熱できず温度上昇 - 設置環境の高温・吸排気不良
直射日光や囲い込みで吸気温度が上がりやすい
ポイント
F20は冷媒サイクルの放熱不足や流量不足が引き金になりやすいです。まずは室外機まわりの環境改善が効果的です。
F20の直し方・一次対処 (安全にできる範囲)
以下はご家庭で安全に実施できる順番です。改善しない・再発する場合は使用を止め、点検を依頼してください
① システムのリセット
- リモコンからの解除
機種別のエラー解除操作でリセット(例の一つ 時計合わせ+給湯温度の同時押しで約3秒)※型番で操作は異なるため取説に従う - 貯湯タンク側ブレーカー
タンク横の漏電遮断器を一度「切」→1分以上→「入」にして再起動
② 室外機まわりの放熱確保
- 吸排気スペースを確保
前後左右と上方に十分な空間を確保し物を置かない - フィンと周辺の清掃
落ち葉・綿ぼこり・蜘蛛の巣を除去し通風を回復 - 直射日光の緩和
夏季は簡易日よけや遮熱対策を検討(吸排気を妨げない形状)
③ 設定と使用状況を見直す
- 給湯温度の適正化
極端な高温設定を避ける - 長時間連続運転を避ける
高負荷が続くと吐出温度が上がりやすい - 他機器の排熱影響を回避
近接するエアコン室外機や乾燥機の排熱が当たらないよう配置を見直す
④ 異音・振動・異臭のチェック
- コンプレッサの唸りや金属音
異常が続く場合は停止して点検依頼 - 過度な振動
据付ボルトの緩みや脚のがたつきを確認 - 焦げ臭さ
電装異常の恐れがあるため運転を止める
やってはいけないこと
本体分解・冷媒系の作業・基板交換・配線変更は行わないでください。重大事故や保証対象外につながります。
直らないときの点検内容と想定修理費
一次対処で改善しない場合に想定される専門点検・修理です(税込目安/機種や現場条件で変動)
| 主な点検・修理 | 症状の例 | 費用目安 | 所要時間 |
|---|---|---|---|
| 吐出管サーミスター交換 | 誤検知・断線 | 8,000〜20,000円+出張・点検 | 30〜60分 |
| 膨張弁コイル交換 | 開度不良・過熱 | 18,000〜45,000円+出張・点検 | 60〜120分 |
| 冷媒回路フラッシング・目詰まり除去 | 局所高温・能力低下 | 15,000〜40,000円+出張・点検 | 60〜150分 |
| 冷媒補充・漏えい修理 | 霜付き異常・高吐出温度 | 20,000〜60,000円+出張・点検 | 90〜180分 |
| 基板交換(冷媒制御系) | 制御不能・誤判定 | 30,000〜80,000円+出張・点検 | 60〜120分 |
| 室外機熱交換器洗浄 | フィン詰まり・放熱不足 | 8,000〜25,000円+出張・点検 | 30〜90分 |
| ファンモーター交換 | 回転不良・停止 | 15,000〜35,000円+出張・点検 | 60〜120分 |
費用は目安
同時故障・部材入手性・施工条件により上下します。正確な見積は現地診断後にご提示します。
交換を検討する目安
- 設置から10〜15年で冷媒系や電装の劣化が顕在化
- 修理見積が高額(概ね10万円超)で他部位も劣化
- 再発が多い/性能不満(沸き上げに時間がかかる・騒音・省エネ性)
交換時は設置スペース・既存電源容量・配管取り回し、および自治体や国の補助金の可否を事前チェック。複数社での見積比較がおすすめです。
よくある質問(F20)
- F20のまま運転を続けてもいい
推奨されません。保護制御が働くため使用を中止し、リセットと環境改善を行い再発時は点検を依頼してください - 夏場や猛暑日にだけ出やすい
吸気温度上昇や直射日光で放熱不足になりやすいです。日よけと通風確保で予防できます - リセットで消えるがすぐ再発する
膨張弁やサーミスターの潜在不良、冷媒量の問題が疑われます。早めに診断を受けましょう - 保証の確認はどうする
型番・製造年・購入日・延長保証の有無を保証書で確認し、販売店またはメーカーに問い合わせてください - 室外機に常設の日よけは必要
直射を避けつつ吸排気を妨げない構造なら有効です。覆うタイプや密閉に近い囲いは逆効果です


エコキュートの修理・交換は自分でできる?
一般の方が自身でエコキュートの修理や交換を行うことは、以下の理由から避けるべきです。
エコキュートの修理や交換作業には法的な資格が必要です。「液化石油ガス設備士法」により、エコキュートの設置や修理は有資格者のみが行えることが定められています。
液化石油ガス設備工事の欠陥等による災害発生の防止のため、ガス栓と硬質管を接続する作業など特別な技能を必要とし、かつ、災害の発生防止に特に重要と認められる作業については、液化石油ガス設備士が従事しなくてはなりません。
また、無資格での作業は重大な事故を引き起こす可能性があります。具体的には

上記のような危険があります。
さらに、自分で修理や交換を行った場合、メーカー保証が無効になってしまう恐れもあります。
このように、エコキュートに関する作業には様々なリスクが伴います。そのため、修理や交換が必要な際は、必ず信頼できる専門業者に依頼するのをオススメします。

エコキュートの修理の費用は?
| 症状 | 修理費用の目安 |
|---|---|
| 電源が入らない場合 | 14,000円~45,000円 |
| お風呂の自動運転が反応しない場合 | 14,000円~45,000円 |
| 水漏れの場合 | 14,000円~45,000円 |
| お湯が出ない、お湯が沸かない場合 | 16,000円~45,000円 |
| リモコンが点灯しない場合 | 19,000円~45,000円 |
| エラーコードが表示される場合 | 14,000円~156,000円 |
エコキュート給湯器の修理費用は、部品代、技術料、出張料を含む概算であり、故障の内容や部品の交換内容によって大きく変動します。修理費用を抑えるためには日頃からのメンテナンスが重要で、定期的な点検や清掃を行い、故障のリスクを抑えることが出来ます。
保証期間内であれば、修理費用が無料または割引になる場合がありますので、故障の際は保証内容を確認しましょう。
特に大規模な修理が必要になった場合、100,000円以上かかる場合もありますので、エコキュートを交換したほうがオトクな場合もあります。
エコキュートを交換する際の費用は?
エコキュート交換を依頼できる業者には主に
- エコキュート交換専門店
- ホームセンター
- ガス会社
- 家電量販店
などがありますが、最も安いのはエコキュート交換専門の業者です。
ホームセンターや家電量販店は、実際には地域の施工業者へ依頼を回す窓口の役割を果たしています。また、ガス会社もエコキュートの交換は自社で行わず、関連会社や下請け業者に任せることが多いのが現状です。
そのため、これらの業者に依頼すると中間マージンが発生し、費用が高くなる傾向があります。コストを抑えるためには、エコキュート交換専門の業者に直接依頼することが一番おすすめです。
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※本記事は一般的な点検観点のまとめです。機種や設置環境により対処は異なります。危険を感じたら直ちに使用を中止し、専門業者にご相談ください。

















