パナソニック製エコキュートのエラーコード「F16」は、運転時に入力電流が異常に高い状態が検知されたことを示しています。このエラーが表示されると、電流異常によりエコキュートの運転が制限される可能性があります。
この記事では、
- エラーコードF16が表示される原因
- エラーコードF16の対処法
- エラーコードF16を解消できない場合の修理・交換方法
について詳しく解説します。

黒川精一 (SKG株式会社代表取締役)
「液化石油ガス設備士」「ガス消費機器設置工事監督者」「TES工事士」「第二種電気工事士」など給湯器関連の多数の資格を持つ「給湯器」の専門家。三菱電機・ジャパン建材・東京ガス関連会社など住宅設備機器関連会社に従事した経験を元に、創業50周年の歴史を持つSKG株式会社の代表取締役に就任。
エコキュートのエラーコードF16とは?表示される原因
パナソニックエコキュートのエラーコード「F16」は、運転時に入力電流が異常に高い状態が検知されたことを示しています。このエラーが表示されると、電流異常によりエコキュート全体の運転が停止する可能性があります。
主な原因:
- 据付け寸法の不備: 設置スペースが不適切で通気性が悪い場合、過負荷が発生し、電流値が異常に高くなることがあります。
- 電流の過剰負荷: 運転時の電流が基準値を超えている場合、内部回路に問題がある可能性があります。
- 制御基板の不具合: 電流を監視するプリント基板が故障している場合、エラーが表示されることがあります。
これらの原因により、エラーコード「F16」が表示されることがあります。エラーが発生した場合は、迅速に原因を特定し、適切な対処を行うことが重要です。
エラーコードF16の直し方・対処法
原因は複数考えられますが、まずは以下の方法を試してください。
システムのリセット
- リモコンからのリセット: 台所リモコンの「時計合わせスイッチ」と「給湯温度スイッチ」を同時に3秒以上押し、エラーを強制解除します。
- 貯湯タンクユニットからのリセット: 貯湯タンクユニットの漏電遮断器を1分間「切」にし、再度「入」にすることでリセットを行います。
据付け寸法や設置環境の確認
エラーコードF16では設置環境の不備が原因となる場合があります。以下を確認してください。
- 設置スペースの確認: ヒートポンプ周辺に十分なスペースが確保されているか確認してください。通気性が悪い場合、寸法を調整します。
- 障害物の除去: ヒートポンプ周囲に障害物がある場合、それを取り除き、適切なエアフローを確保します。
- 温度環境の確認: 周囲温度が極端に高い場合、冷却性能が低下して電流値が異常に上がることがあります。
電流値や配線の確認
運転時の電流値が異常に高い場合、以下の手順で点検を進めます。
- 電流値の測定: 専門業者に依頼して運転電流を測定してもらい、異常値が検出された場合は次の手順に進みます。
- 配線の目視確認: 配線が断線していないか、接続が緩んでいないかを確認し、問題があれば修正します。
- プリント基板の交換: 配線や電流に問題がない場合、制御基板の故障が考えられるため、専門業者に基板交換を依頼してください。
エコキュート本体の分解清掃はNG
外から見える範囲には異物が無い場合でも、エコキュート本体の奥深くに異物が混入してしまい、エラーが解除されないケースもあります。その場合、エコキュート本体を一旦分解して清掃する必要がありますが、DIYで分解清掃は行わないで下さい。
エコキュートはガスを取り扱う器具で、分解・組み立て時に何らかの不具合が起きた場合、ガス漏れ等の重大事故につながる恐れがあります。エラーF16がどうしても解除されない場合には、一度お問い合わせください。
それでもエラーが回復しない場合は故障の可能性アリ
これまでの対処法を試してもエラーコード「F16」が解消されない場合、運転時の電流値異常や配線の不具合、プリント基板の故障、またはその他の内部部品に問題が発生している可能性があります。このような場合、専門知識と技術が必要となるため、自力での修理は難しく、メーカーや専門の修理業者に依頼することをおすすめします。
専門家による点検を受けることで、電流値や配線状況、基板などの故障箇所を正確に特定し、適切な修理や交換が行われます。特に、運転時の電流異常は本体内部の問題が複雑に絡んでいる可能性があり、詳細な診断が求められることがあります。
また、エコキュートが保証期間内であれば、無償修理の対象となる場合があります。保証書を確認し、必要に応じてメーカーや販売店に連絡して対応を依頼してください。迅速な対応がさらなる不具合や本体への負担を防ぐための重要なステップとなります。


エコキュートの修理・交換は自分でできる?
一般の方が自身でエコキュートの修理や交換を行うことは、以下の理由から避けるべきです。
エコキュートの修理や交換作業には法的な資格が必要です。「液化石油ガス設備士法」により、エコキュートの設置や修理は有資格者のみが行えることが定められています。
液化石油ガス設備工事の欠陥等による災害発生の防止のため、ガス栓と硬質管を接続する作業など特別な技能を必要とし、かつ、災害の発生防止に特に重要と認められる作業については、液化石油ガス設備士が従事しなくてはなりません。
また、無資格での作業は重大な事故を引き起こす可能性があります。具体的には

上記のような危険があります。
さらに、自分で修理や交換を行った場合、メーカー保証が無効になってしまう恐れもあります。
このように、エコキュートに関する作業には様々なリスクが伴います。そのため、修理や交換が必要な際は、必ず信頼できる専門業者に依頼するのをオススメします。

エコキュートの修理の費用は?
症状 | 修理費用の目安 |
---|---|
電源が入らない場合 | 14,000円~45,000円 |
お風呂の自動運転が反応しない場合 | 14,000円~45,000円 |
水漏れの場合 | 14,000円~45,000円 |
お湯が出ない、お湯が沸かない場合 | 16,000円~45,000円 |
リモコンが点灯しない場合 | 19,000円~45,000円 |
エラーコードが表示される場合 | 14,000円~156,000円 |
エコキュート給湯器の修理費用は、部品代、技術料、出張料を含む概算であり、故障の内容や部品の交換内容によって大きく変動します。修理費用を抑えるためには日頃からのメンテナンスが重要で、定期的な点検や清掃を行い、故障のリスクを抑えることが出来ます。
保証期間内であれば、修理費用が無料または割引になる場合がありますので、故障の際は保証内容を確認しましょう。
特に大規模な修理が必要になった場合、100,000円以上かかる場合もありますので、エコキュートを交換したほうがオトクな場合もあります。
エコキュートを交換する際の費用は?
エコキュート交換を依頼できる業者には主に
- エコキュート交換専門店
- ホームセンター
- ガス会社
- 家電量販店
などがありますが、最も安いのはエコキュート交換専門の業者です。
ホームセンターや家電量販店は、実際には地域の施工業者へ依頼を回す窓口の役割を果たしています。また、ガス会社もエコキュートの交換は自社で行わず、関連会社や下請け業者に任せることが多いのが現状です。
そのため、これらの業者に依頼すると中間マージンが発生し、費用が高くなる傾向があります。コストを抑えるためには、エコキュート交換専門の業者に直接依頼することが一番おすすめです。
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