パナソニック製エコキュートのエラーコード「F14」は、圧縮機がロックしていることを示しています。このエラーが表示されると、圧縮機が正常に動作せず、ヒートポンプ機能が制限される可能性があります。
この記事では、以下の内容について詳しく解説します。
- エラーコードF14が表示される原因
- エラーコードF14の対処法
- エラーコードF14を解消できない場合の修理・交換方法
について詳しく解説しています。

黒川精一 (SKG株式会社代表取締役)
「液化石油ガス設備士」「ガス消費機器設置工事監督者」「TES工事士」「第二種電気工事士」など給湯器関連の多数の資格を持つ「給湯器」の専門家。三菱電機・ジャパン建材・東京ガス関連会社など住宅設備機器関連会社に従事した経験を元に、創業50周年の歴史を持つSKG株式会社の代表取締役に就任。
エコキュートのエラーコードF14とは?表示される原因
パナソニックエコキュートのエラーコード「F14」は、圧縮機がロックされていることを示しています。このエラーが表示されると、圧縮機が正常に動作せず、ヒートポンプユニット全体の機能が停止する可能性があります。
主な原因:
- 圧縮機の配線不良: 圧縮機に接続されている配線が断線している、または接触不良を起こしている場合、圧縮機が正常に動作できずエラーが発生します。
- モーターの故障: 圧縮機内部のモーターが動作不良を起こしている場合、回転が停止しロック状態になることがあります。
- 制御基板の異常: 圧縮機を制御する基板が故障している場合、圧縮機に適切な指示が伝わらずエラーが発生します。
これらの原因により、エラーコード「F14」が表示されることがあります。エラーが発生した場合は、迅速に原因を特定し、適切な対処を行うことが重要です。
エラーコードF14の直し方・対処法
原因は複数考えられますが、まずは以下の方法を試してください。
システムのリセット
- リモコンからのリセット: 台所リモコンの「時計合わせスイッチ」と「給湯温度スイッチ」を同時に3秒以上押し、エラーを強制解除します。
- 貯湯タンクユニットからのリセット: 貯湯タンクユニットの漏電遮断器を1分間「切」にし、再度「入」にすることでリセットを行います。
圧縮機の配線確認
圧縮機ロックの原因として配線の不具合が考えられます。以下の手順で確認してください。
- 電源の遮断:作業前にエコキュートの電源を切り、感電防止のためブレーカーをオフにします。
- 配線の点検:圧縮機に接続されている配線を目視で確認し、断線や接触不良がないか確認します。
- 接続の確認:配線が緩んでいる場合は、しっかりと接続し直します。異常が見られる場合は、専門業者に修理を依頼してください。
圧縮機の状態確認
圧縮機内部のモーターや部品の故障が原因の場合があります。以下の手順で確認を進めます。
- 圧縮機モーターのチェック:圧縮機が正常に回転しているかを確認してください。異音がする場合や動作しない場合は、モーターが故障している可能性があります。
- 抵抗値の測定:圧縮機の2相間抵抗値をテスターで測定します。抵抗値が正常でない場合、ヒートポンプユニット全体の対応が必要です。
- プリント基板の交換:圧縮機が正常で基板が原因と特定された場合、制御基板の交換を行います。専門業者に相談してください。
サーミスタの確認
圧縮機の温度を測定するサーミスタに問題がある場合もエラーが発生する可能性があります。
- サーミスタの清掃: サーミスタが汚れている場合、正確な温度測定が行えずエラーが発生する可能性があります。必要に応じて清掃を行ってください。
- サーミスタの状態確認: サーミスタが断線または故障している場合は、交換が必要です。交換作業は専門業者に依頼してください。
エコキュート本体の分解清掃はNG
外から見える範囲には異物が無い場合でも、エコキュート本体の奥深くに異物が混入してしまい、エラーが解除されないケースもあります。その場合、エコキュート本体を一旦分解して清掃する必要がありますが、DIYで分解清掃は行わないで下さい。
エコキュートはガスを取り扱う器具で、分解・組み立て時に何らかの不具合が起きた場合、ガス漏れ等の重大事故につながる恐れがあります。エラーF14がどうしても解除されない場合には、一度お問い合わせください。
それでもエラーが回復しない場合は故障の可能性アリ
これまでの対処法を試してもエラーコード「F14」が解消されない場合、圧縮機のロックや内部モーターの不具合、制御基板、または関連部品に問題が発生している可能性があります。このような場合、自力での修理は難しく、適切な知識と技術が必要となるため、メーカーや専門の修理業者に依頼することをおすすめします。
専門家による点検を受けることで、圧縮機や配線、基板などの故障箇所を正確に特定し、適切な修理や交換が行われます。圧縮機の2相間抵抗値や基板の状態など、詳細な診断が必要な場合もあります。
また、エコキュートが保証期間内であれば、無償修理の対象となる場合があります。保証書を確認し、必要に応じてメーカーや販売店に連絡して対応を依頼してください。早期の対応がさらなる故障や不具合の拡大を防ぐための重要なステップとなります。


エコキュートの修理・交換は自分でできる?
一般の方が自身でエコキュートの修理や交換を行うことは、以下の理由から避けるべきです。
エコキュートの修理や交換作業には法的な資格が必要です。「液化石油ガス設備士法」により、エコキュートの設置や修理は有資格者のみが行えることが定められています。
液化石油ガス設備工事の欠陥等による災害発生の防止のため、ガス栓と硬質管を接続する作業など特別な技能を必要とし、かつ、災害の発生防止に特に重要と認められる作業については、液化石油ガス設備士が従事しなくてはなりません。
また、無資格での作業は重大な事故を引き起こす可能性があります。具体的には

上記のような危険があります。
さらに、自分で修理や交換を行った場合、メーカー保証が無効になってしまう恐れもあります。
このように、エコキュートに関する作業には様々なリスクが伴います。そのため、修理や交換が必要な際は、必ず信頼できる専門業者に依頼するのをオススメします。

エコキュートの修理の費用は?
症状 | 修理費用の目安 |
---|---|
電源が入らない場合 | 14,000円~45,000円 |
お風呂の自動運転が反応しない場合 | 14,000円~45,000円 |
水漏れの場合 | 14,000円~45,000円 |
お湯が出ない、お湯が沸かない場合 | 16,000円~45,000円 |
リモコンが点灯しない場合 | 19,000円~45,000円 |
エラーコードが表示される場合 | 14,000円~156,000円 |
エコキュート給湯器の修理費用は、部品代、技術料、出張料を含む概算であり、故障の内容や部品の交換内容によって大きく変動します。修理費用を抑えるためには日頃からのメンテナンスが重要で、定期的な点検や清掃を行い、故障のリスクを抑えることが出来ます。
保証期間内であれば、修理費用が無料または割引になる場合がありますので、故障の際は保証内容を確認しましょう。
特に大規模な修理が必要になった場合、100,000円以上かかる場合もありますので、エコキュートを交換したほうがオトクな場合もあります。
エコキュートを交換する際の費用は?
エコキュート交換を依頼できる業者には主に
- エコキュート交換専門店
- ホームセンター
- ガス会社
- 家電量販店
などがありますが、最も安いのはエコキュート交換専門の業者です。
ホームセンターや家電量販店は、実際には地域の施工業者へ依頼を回す窓口の役割を果たしています。また、ガス会社もエコキュートの交換は自社で行わず、関連会社や下請け業者に任せることが多いのが現状です。
そのため、これらの業者に依頼すると中間マージンが発生し、費用が高くなる傾向があります。コストを抑えるためには、エコキュート交換専門の業者に直接依頼することが一番おすすめです。
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