パナソニック製エコキュートのエラーコード「F12」は、冷媒圧力が異常に上昇し、圧力スイッチが作動したことを示しています。このエラーが表示されると、冷媒系統の不具合によりエコキュートの運転が制限される可能性があります。
この記事では、
- エラーコードF12が表示される原因
- エラーコードF12の対処法
- エラーコードF12を解消できない場合の修理・交換方法
について詳しく解説します。

黒川精一 (SKG株式会社代表取締役)
「液化石油ガス設備士」「ガス消費機器設置工事監督者」「TES工事士」「第二種電気工事士」など給湯器関連の多数の資格を持つ「給湯器」の専門家。三菱電機・ジャパン建材・東京ガス関連会社など住宅設備機器関連会社に従事した経験を元に、創業50周年の歴史を持つSKG株式会社の代表取締役に就任。
エコキュートのエラーコードF12とは?表示される原因
パナソニックエコキュートのエラーコード「F12」は、冷媒圧力が異常に上昇し、圧力スイッチが作動したことを示しています。このエラーが表示されると、冷媒系統の異常によりエコキュートの運転が制限される可能性があります。
主な原因:
- ヒートポンプ配管の詰まりや凍結: 冷媒や温水の流れが妨げられることで、圧力が異常に上昇し、圧力スイッチが作動します。
- 配管の接続不良: ヒートポンプ配管が誤接続されている場合、適切な冷媒の流れが確保されず、エラーが発生します。
- 部品の劣化や不具合: 膨張弁や入水・出湯サーミスタ、沸き上げポンプなどの部品が故障している場合、圧力が異常に高くなることがあります。
これらの原因により、エラーコード「F12」が表示されることがあります。エラーが発生した場合は、速やかに原因を特定し、適切な対処を行うことが重要です。
エラーコードF12の直し方・対処法
原因は複数考えられますが、まずは以下の方法を試してください。
システムのリセット
- リモコンからのリセット: 台所リモコンの「時計合わせスイッチ」と「給湯温度スイッチ」を同時に3秒以上押し、エラーを強制解除します。
- 貯湯タンクユニットからのリセット: 貯湯タンクユニットの漏電遮断器を1分間「切」にし、再度「入」にすることでリセットを行います。
配管や接続部分を確認する
冷媒圧力の異常が原因でエラーが発生している場合、以下の確認を行ってください。
- 配管の詰まりや凍結がないか確認: 配管が詰まっていたり凍結していると冷媒が流れません。凍っている場合は、配管を温めて解凍してください。
- 接続部分の確認: 配管が正しくつながっているかをチェックします。外れていたり緩んでいる場合は、正しく接続し直します。
- タンクのノズルを清掃: 貯湯タンクのノズル部分が詰まっている場合があります。汚れを取り除きましょう。
冷媒関連部品を確認する
冷媒の流れを適切に制御する部品の不具合が原因の場合があります。
- 温度センサー(サーミスタ)の確認: サーミスタが外れていることがあります。位置を正しく直してください。
- 膨張弁をチェック: 膨張弁の接続部分を確認します。外れている場合は正しくつなぎ直します。
- ポンプの動作を確認: 貯湯や沸き上げ用のポンプが動いていない場合があります。動作に異常がある場合は、交換が必要です。
エコキュート本体の分解清掃はNG
外から見える範囲には異物が無い場合でも、エコキュート本体の奥深くに異物が混入してしまい、エラーが解除されないケースもあります。その場合、エコキュート本体を一旦分解して清掃する必要がありますが、DIYで分解清掃は行わないで下さい。
エコキュートはガスを取り扱う器具で、分解・組み立て時に何らかの不具合が起きた場合、ガス漏れ等の重大事故につながる恐れがあります。エラーF12がどうしても解除されない場合には、一度お問い合わせください。
それでもエラーが回復しない場合は故障の可能性アリ
これまでの対処法を試してもエラーコード「F12」が解消されない場合、ヒートポンプ配管の詰まりや接続ミス、圧力スイッチの故障、または内部部品に問題が発生している可能性があります。このような場合、専門的な知識と技術が必要となるため、自力での修理は難しく、メーカーや専門の修理業者に依頼することをおすすめします。
専門家による点検を受けることで、配管の詰まりや凍結、圧力スイッチ、冷媒関連部品(膨張弁やサーミスタなど)の異常箇所を正確に特定し、適切な修理や交換が行われます。特に、冷媒圧力異常は本体全体の冷却循環に影響するため、迅速な対応が必要です。
また、エコキュートが保証期間内であれば、無償修理の対象となる可能性があります。保証書を確認し、必要に応じてメーカーや販売店に連絡して対応を依頼してください。早めの対応を行うことで、不具合が拡大するリスクを抑えることができます。


エコキュートの修理・交換は自分でできる?
一般の方が自身でエコキュートの修理や交換を行うことは、以下の理由から避けるべきです。
エコキュートの修理や交換作業には法的な資格が必要です。「液化石油ガス設備士法」により、エコキュートの設置や修理は有資格者のみが行えることが定められています。
液化石油ガス設備工事の欠陥等による災害発生の防止のため、ガス栓と硬質管を接続する作業など特別な技能を必要とし、かつ、災害の発生防止に特に重要と認められる作業については、液化石油ガス設備士が従事しなくてはなりません。
また、無資格での作業は重大な事故を引き起こす可能性があります。具体的には

上記のような危険があります。
さらに、自分で修理や交換を行った場合、メーカー保証が無効になってしまう恐れもあります。
このように、エコキュートに関する作業には様々なリスクが伴います。そのため、修理や交換が必要な際は、必ず信頼できる専門業者に依頼するのをオススメします。

エコキュートの修理の費用は?
症状 | 修理費用の目安 |
---|---|
電源が入らない場合 | 14,000円~45,000円 |
お風呂の自動運転が反応しない場合 | 14,000円~45,000円 |
水漏れの場合 | 14,000円~45,000円 |
お湯が出ない、お湯が沸かない場合 | 16,000円~45,000円 |
リモコンが点灯しない場合 | 19,000円~45,000円 |
エラーコードが表示される場合 | 14,000円~156,000円 |
エコキュート給湯器の修理費用は、部品代、技術料、出張料を含む概算であり、故障の内容や部品の交換内容によって大きく変動します。修理費用を抑えるためには日頃からのメンテナンスが重要で、定期的な点検や清掃を行い、故障のリスクを抑えることが出来ます。
保証期間内であれば、修理費用が無料または割引になる場合がありますので、故障の際は保証内容を確認しましょう。
特に大規模な修理が必要になった場合、100,000円以上かかる場合もありますので、エコキュートを交換したほうがオトクな場合もあります。
エコキュートを交換する際の費用は?
エコキュート交換を依頼できる業者には主に
- エコキュート交換専門店
- ホームセンター
- ガス会社
- 家電量販店
などがありますが、最も安いのはエコキュート交換専門の業者です。
ホームセンターや家電量販店は、実際には地域の施工業者へ依頼を回す窓口の役割を果たしています。また、ガス会社もエコキュートの交換は自社で行わず、関連会社や下請け業者に任せることが多いのが現状です。
そのため、これらの業者に依頼すると中間マージンが発生し、費用が高くなる傾向があります。コストを抑えるためには、エコキュート交換専門の業者に直接依頼することが一番おすすめです。
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