「うちのエコキュート、もう10年経つけどまだ使える?」
「最近エラーが頻発するけど、修理と交換どっちが得なの?」

「急にお湯が出なくなったら困る…」
「修理見積もりが高額でびっくりした!」
エコキュートは決して安い買い物ではありません。だからこそ、故障した時に「修理して使い続けるか」「思い切って新品に交換するか」は非常に悩ましい決断です。判断を間違えると、数万円〜数十万円の損をしてしまうこともあります。
この記事でわかる「損しない判断基準」のすべて
- 【寿命】部品ごとの耐久年数と劣化メカニズム
- 【前兆】「この音がしたら危険」故障サイン一覧
- 【判断】修理代vs交換費用 損益分岐点の決定版
- 【比較】10年前の機種と最新機種のスペック差
- 【裏話】「部品がない」と言われるメーカー事情
先に結論をお伝えします。設置から10年を超えているなら、修理よりも「交換」の方が経済的・精神的に得をする可能性が極めて高いです。
なぜなら、10年超えの修理は「直してもすぐ他が壊れる」イタチごっこになりやすく、最新機種への交換で電気代削減と高額な補助金(給湯省エネ事業)の恩恵を受けられるからです。その詳細な根拠と、プロしか知らない業界の裏事情まで深掘りして解説します。


黒川精一 (SKG株式会社代表取締役)
「液化石油ガス設備士」「ガス消費機器設置工事監督者」「TES工事士」「第二種電気工事士」など給湯器関連の多数の資格を持つ「給湯器」の専門家。三菱電機・ジャパン建材・東京ガス関連会社など住宅設備機器関連会社に従事した経験を元に、創業50周年の歴史を持つSKG株式会社の代表取締役に就任。
エコキュートの寿命は10年~15年!部位別の耐久年数
一般的にエコキュートの寿命は10年~15年と言われていますが、これはあくまで「タンク」の話。詳しく見ると、システム全体で寿命が異なります。
| ユニット | 寿命目安 | 役割と故障リスク |
|---|---|---|
| ヒートポンプユニット (室外機) | 8年~12年 | 空気の熱でお湯を作る心臓部。 高圧で作動するため負荷が大きく、電子基板や冷媒回路が最も故障しやすい。 |
| 貯湯タンクユニット (大きなタンク) | 10年~15年 | 作ったお湯を貯めておく場所。 ステンレス製で丈夫だが、センサー類や混合弁(お湯を混ぜる部品)が壊れる。 |
| リモコン | 10年~15年 | 液晶の表示不良(文字欠け)やボタンの反応が悪くなる。 |
なぜ10年で壊れる?劣化のメカニズム
エコキュートは、エアコンと同じ「ヒートポンプ技術」を使っています。エアコンの室外機が10年程度で壊れやすくなるのと同様に、エコキュートも冷媒(CO2)を圧縮するコンプレッサーや、それを制御する電子基板(パワートランジスタ等)が経年劣化で物理的に限界を迎えます。
メーカーの「部品保有期間」の壁
修理したくてもできない最大の理由がこれです。各メーカーは「補修用性能部品の最低保有期間」を定めており、これを過ぎるとメーカー在庫がなくなり次第、修理不可となります。
- エコキュートの部品保有期間:製造終了から10年
「製造終了」から10年なので、購入時期によっては設置から8〜9年で部品がないケースもあります。「部品がないので直せません」と断られ、お湯が使えないまま数日間過ごす…というのが最悪のパターンです。
【危険度別】見逃してはいけない故障の前兆サイン
エコキュートが完全に停止する前に、必ず何らかの予兆(サイン)が出ています。これを見逃さないことが、突然の水風呂回避につながります。
【緊急対応】お湯が出ない!まず確認すべきこと
もし今、お湯が出なくて困っているなら、業者に電話する前に以下の3つを試してください。一時的に復旧する可能性があります。
- エラーコードのリセット
リモコンのリセットボタン(または電源OFF/ON)を長押ししてエラーを消し、再沸き上げを行ってみてください。一時的な誤作動ならこれで直ります。 - 漏電ブレーカーの確認
エコキュート本体(貯湯タンク)にある漏電遮断器が「切」になっていないか確認してください。 - 断水・凍結の確認
地域的な断水や、配管の凍結がないか確認してください。凍結の場合は自然解凍を待ちます。
主要メーカーのエラーコード一覧と詳しい対処法は、以下の記事で網羅しています。
修理代はいくらかかる?部品別の費用相場【完全版】
修理を選んだ場合、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。メーカー保証(通常1~2年)を過ぎていると、「出張費(0.5万~1万)」+「技術料(1万~2万)」+「部品代」の合計が請求されます。
| 故障箇所 | 修理費用目安(総額) | 備考 |
|---|---|---|
| ヒートポンプユニット交換 (全交換) | 15万円~22万円 | ほぼ新品交換と同じ負担。 最も避けるべき修理。 |
| コンプレッサー交換 | 8万円~13万円 | 冷媒ガスの入れ替えも必要。 高額修理の代表格。 |
| 電子基板(PCB)交換 | 3万円~6万円 | 最も多い修理。 ただし1枚交換しても他が壊れる可能性大。 |
| 混合弁・電磁弁交換 | 2.5万円~4.5万円 | 水漏れや温度異常の原因。 |
| 水位センサー類交換 | 2万円~3.5万円 | エラー頻発の原因。 |
| リモコン交換 | 3万円~5万円 | リモコン線の断線の場合もある。 |
ヒートポンプユニットが故障した場合、部分修理でも高額になりがちです。特に「ヒートポンプ一式交換」と言われた場合、新品のエコキュート本体価格の半分近い金額になってしまいます。
修理はどこに頼むべき?
修理の場合は、基本的に「メーカーのサポート窓口」一択です。一般的な水道業者や販売店では、内部の精密部品(基板など)を持っていないため、結局メーカーに取り次ぐだけになり、手数料が上乗せされることがあります。
「修理 vs 交換」究極の損益分岐点はココ!
ここが一番重要です。修理すべきか、交換すべきか、以下のフローチャートと基準で判断してください。感情論ではなく、経済的な損得で判断しましょう。
判断基準の鉄則チャート
- 設置から7年未満 ⇒ 修理推奨
まだ寿命まで余裕があります。修理費が10万円以下なら直して使いましょう。 - 設置から8年~9年 ⇒ 見積もり比較
微妙な時期です。修理費が高額(5万円以上)なら、交換も視野に入れてください。一度故障すると、ドミノ倒しのように別の場所が壊れる確率が高いです。 - 設置から10年以上 ⇒ 交換一択
部品がないリスク、度重なる修理費、電気代の無駄を考えると、新品交換が経済的です。
10年前の機種と最新機種はこんなに違う!
「まだ使えるのにもったいない」と思うかもしれませんが、ランニングコストと補助金を加味すると、トータルコストは逆転します。最新機種の進化は凄まじいです。
| 項目 | 10年前の機種 | 2026年最新機種 | メリット |
|---|---|---|---|
| 年間電気代 | 約6万円~8万円 | 約4万円~5万円 | 年間2万円前後の節約 10年で20万円の差! |
| 湯切れ対策 | 沸き増し手動 | AIが自動学習 | 無駄な沸き上げゼロへ |
| スマホ連携 | なし | あり | 外出先からお湯はり |
| 太陽光連携 | なし | あり(ソーラーチャージ) | 余剰電力でお湯を作る |
| 補助金 | 対象外 | 対象(最大12万円) | 初期費用の大幅軽減 |
2026年は「給湯省エネ事業」により、最大12万円前後の補助金が出ます。これを活用すれば、修理に10万円払うよりも、補助金をもらって新品にした方が長期的には賢い選択と言えます。
電気代がどれくらい安くなるか?具体的なシミュレーションは以下の記事で解説しています。


交換するなら知っておきたい!工事のリアル
いざ交換となると、「お風呂に入れない期間」が気になりますよね。最新の交換事情をお伝えします。
工事期間は「半日~1日」
エコキュートからエコキュートへの交換なら、朝9時から始まって、夕方15時~16時頃には終わります。その日の夜からお風呂に入れるケースがほとんどです。
マンション・賃貸の場合の注意点
マンションの場合、管理組合への事前の工事申請が必要なことが多く、承認まで1週間~2週間かかる場合があります。故障してからでは遅いので、早めの行動が必要です。また、オートロックや搬入経路の確認も重要です。
機種選びのポイント(後継機)
基本的には「今と同じタンク容量(370L or 460L)」で、「同じメーカー」を選ぶと配管位置が近いため工事費が安く済みます。もちろん、メーカーを変えても設置は可能です。
まとめ:10年目は「交換の準備」を始める時期
エコキュートの寿命と、修理か交換かの判断基準について、プロの視点で詳しく解説しました。
記事の要点まとめ
- エコキュートの寿命目安は10年~15年(ヒートポンプはもっと短い)
- 10年経過するとメーカーの部品保有期間が終了し、修理不可で「詰む」リスクがある
- 修理費が10万円を超える場合、または設置から10年以上なら交換が得策
- 2026年は補助金(最大12万円)と電気代削減で、新品交換のメリットが非常に大きい
一番怖いのは、「真冬にお湯が突然出なくなり、部品もないので交換しようとしたら、繁忙期で工事が1週間待ちだった」という事態です。銭湯通いは肉体的にも精神的にも辛いものです。
10年を過ぎてエラーが出始めたら、完全に壊れる前に「見積もり」だけでも取っておくことを強くおすすめします。在庫さえ確保できれば、即日〜翌日工事も可能です。
2026年の最新費用相場と、安く交換できる業者の探し方はこちら。








