P37は「ふろ自動(湯はり・追いだき)系統の異常」を示す代表コードです。まずは安全を確保し、リセット → フィルター清掃 → 配管・循環チェックの順で一次対処を。再発・改善なしの場合は早めに点検を依頼してください(型番で意味や解除方法が異なるため、必ず取説も確認)。
この記事では、以下の内容について詳しく解説します。
- エラーコードP37が表示される原因
- 自宅で安全にできる直し方・一次対処
- 直らないときの点検内容・修理費用の目安
- 交換を検討するタイミングと注意点

黒川精一 (SKG株式会社代表取締役)
「液化石油ガス設備士」「ガス消費機器設置工事監督者」「TES工事士」「第二種電気工事士」など給湯器関連の多数の資格を持つ「給湯器」の専門家。三菱電機・ジャパン建材・東京ガス関連会社など住宅設備機器関連会社に従事した経験を元に、創業50周年の歴史を持つSKG株式会社の代表取締役に就任。
P37とは?— 表示される主な原因
三菱エコキュートのふろ自動系(湯はり・追いだき)で想定どおりの循環・水位検知・加熱が行えないときにP37が表示されます。代表原因は次のとおりです(型番により名称・診断名は異なります)。
- 配管の詰まり・エア噛み・凍結
追いだき配管の汚れや気泡、低温での凍結により循環不足。 - ふろ循環フィルターの目詰まり
浴槽の循環金具(吸い込み口)フィルターが汚れて吸水できない。 - ふろ用ポンプの不具合
能力低下・固着・断線で流量が確保できない。 - 3方弁・電磁弁・流量検知の異常
切替不良やセンサー異常で湯路が制御できない。 - 水位センサー(浴槽・配管)の検知不良
外れ・劣化・配線不良で誤検知。 - 制御基板の異常
指令は出るが実動作が伴わない・自己診断が異常値。
ポイント:ふろ系エラーは循環不良がトリガーになるケースが多く、まずは浴槽まわりの清掃と循環ルートの確保が効果的です。
P37の直し方・一次対処(安全にできる範囲)
以下はご家庭で安全に実施できる順番です。改善しない・再発する場合は使用を止め、点検を依頼してください。
① システムのリセット
- リモコンからの解除
機種別のエラー解除操作でリセット(例:時計合わせ+給湯温度の同時押し3秒程度 など)。※型番で操作は異なるため取説に従う - 貯湯タンク側ブレーカー
タンク横の漏電遮断器を一度「切」→1分以上→「入」にして再起動。
② 循環フィルターの清掃(最重要)
- 浴槽の吸い込み口(循環金具)を外す
ヘアキャッチ・ネット状フィルターを取り外し。 - ぬめり・皮脂汚れ・髪の毛を除去
中性洗剤+柔らかいブラシで優しく洗浄、十分にすすぐ。 - 再装着後に湯はりテスト
循環が安定しエラー再発がないか確認。
③ 配管・凍結・エア噛みをチェック
- 配管の屈曲・押しつぶれ
浴室裏や屋外配管の折れ・押し当てがないか。 - 凍結の疑い
低温時は配管保温材の破損や露出部に注意。自然解凍を待つか環境改善。 - エア噛み
浴槽側で循環口がしっかり湯に浸かる水位でテスト。空気吸い込みは循環不良の原因。
④ ふろ用ポンプ周辺の目視点検
- 動作音
極端な異音・金属音・空転音がないか。 - 振動・漏れ
配管接続部のにじみ、ポンプ固定の緩み。 - 再発の有無
一時的に直っても再発する場合は能力低下の疑い。
やってはいけないこと
本体分解・基板交換・弁類の分解/冷媒系作業・配線変更は行わないでください。重大事故や保証対象外につながります。
直らないときの点検内容と想定修理費
一次対処で改善しない場合、以下の専門点検・修理が想定されます(税込目安/機種・現場で変動)。
| 主な点検・修理 | 症状の例 | 費用目安 | 所要時間 |
|---|---|---|---|
| 循環フィルター・浴槽循環金具の交換 | 目詰まり再発・破損 | 5,000〜15,000円+出張・点検 | 30〜60分 |
| ふろ用ポンプ交換 | 循環不足・異音・停止 | 25,000〜55,000円+出張・点検 | 60〜120分 |
| 3方弁/電磁弁関連 | 湯路切替不可・片寄り | 18,000〜45,000円+出張・点検 | 60〜120分 |
| 水位センサー・配線修理 | 水位誤検知・空運転判定 | 8,000〜25,000円+出張・点検 | 30〜90分 |
| 配管洗浄・詰まり除去 | スライム・スケール詰まり | 8,000〜30,000円+出張・点検 | 30〜120分 |
| 基板交換(ふろ系統) | 指令不良・異常判定 | 30,000〜80,000円+出張・点検 | 60〜120分 |
費用は目安です:同時故障・部材入手性・施工条件により上下します。正確な見積は現地診断後にご提示します。
交換を検討する目安
- 設置から10〜15年で基幹部品の劣化が顕在化。
- 修理見積が高額(概ね10万円超)で他部位も劣化。
- 再発が多い/性能不満(水圧・静音・省エネ)で更新メリットが大。
交換時は設置スペース・既存電源容量・配管取り回し、および自治体や国の補助金の可否を事前チェック。複数社での見積比較がおすすめです。
よくある質問(P37)
- Q. P37のまま追いだきしてもいい?
A. 推奨されません。保護制御が働くため使用を中止し、リセット・清掃後も再発なら点検を。 - Q. 一度直ってもすぐ再発します。
A. フィルター清掃だけでは解消しない潜在不良(ポンプ・弁・センサー)が疑われます。早めに診断を。 - Q. 浴槽が汚れているとP37になりますか?
A. 皮脂・髪・入浴剤成分の堆積は循環不良の主要因です。定期清掃と配管洗浄で予防可能。 - Q. 保証の確認は?
A. 型番・製造年・購入日・延長保証の有無を保証書で確認し、販売店/メーカーへ。 - Q. 修理と交換どちらが得?
A. 年式・見積額・再発リスク・補助金有無で総合判断。10年超+高額修理は交換が有利な傾向です。


エコキュートの修理・交換は自分でできる?
一般の方が自身でエコキュートの修理や交換を行うことは、以下の理由から避けるべきです。
エコキュートの修理や交換作業には法的な資格が必要です。「液化石油ガス設備士法」により、エコキュートの設置や修理は有資格者のみが行えることが定められています。
液化石油ガス設備工事の欠陥等による災害発生の防止のため、ガス栓と硬質管を接続する作業など特別な技能を必要とし、かつ、災害の発生防止に特に重要と認められる作業については、液化石油ガス設備士が従事しなくてはなりません。
また、無資格での作業は重大な事故を引き起こす可能性があります。具体的には

上記のような危険があります。
さらに、自分で修理や交換を行った場合、メーカー保証が無効になってしまう恐れもあります。
このように、エコキュートに関する作業には様々なリスクが伴います。そのため、修理や交換が必要な際は、必ず信頼できる専門業者に依頼するのをオススメします。

エコキュートの修理の費用は?
| 症状 | 修理費用の目安 |
|---|---|
| 電源が入らない場合 | 14,000円~45,000円 |
| お風呂の自動運転が反応しない場合 | 14,000円~45,000円 |
| 水漏れの場合 | 14,000円~45,000円 |
| お湯が出ない、お湯が沸かない場合 | 16,000円~45,000円 |
| リモコンが点灯しない場合 | 19,000円~45,000円 |
| エラーコードが表示される場合 | 14,000円~156,000円 |
エコキュート給湯器の修理費用は、部品代、技術料、出張料を含む概算であり、故障の内容や部品の交換内容によって大きく変動します。修理費用を抑えるためには日頃からのメンテナンスが重要で、定期的な点検や清掃を行い、故障のリスクを抑えることが出来ます。
保証期間内であれば、修理費用が無料または割引になる場合がありますので、故障の際は保証内容を確認しましょう。
特に大規模な修理が必要になった場合、100,000円以上かかる場合もありますので、エコキュートを交換したほうがオトクな場合もあります。
エコキュートを交換する際の費用は?
エコキュート交換を依頼できる業者には主に
- エコキュート交換専門店
- ホームセンター
- ガス会社
- 家電量販店
などがありますが、最も安いのはエコキュート交換専門の業者です。
ホームセンターや家電量販店は、実際には地域の施工業者へ依頼を回す窓口の役割を果たしています。また、ガス会社もエコキュートの交換は自社で行わず、関連会社や下請け業者に任せることが多いのが現状です。
そのため、これらの業者に依頼すると中間マージンが発生し、費用が高くなる傾向があります。コストを抑えるためには、エコキュート交換専門の業者に直接依頼することが一番おすすめです。
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みずほ住設は、毎月300件以上のエコキュート修理・交換実績を持ち、中間マージンの削減や大量仕入れ、
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※本記事は一般的な点検観点のまとめです。機種や設置環境により対処は異なります。危険を感じたら直ちに使用を中止し、専門業者にご相談ください。

















