「テレビアンテナを設置しようと思ったけど、たくさん種類があってどうすればいいかわからない…。」
「地デジだけ見れればいいんだけど、このアンテナであってるの?」
「今アンテナ建ててるのに、BSが映らないんだけどなんで?」
テレビアンテナには複数の種類があり、設置するアンテナによって見れるチャンネルが変わってきます。
大まかにまとめると以下の通りです。
- 地デジアンテナ:地デジ用のテレビ電波を受信するアンテナ。八木式アンテナ・デザインアンテナ・室内用地デジアンテナ・車載用アンテナといった種類がある。
- BS/CSアンテナ:衛星放送を視聴するためのアンテナ。
この記事では、テレビアンテナ本体の種類についてわかりやすく解説していきます。
テレビアンテナの工事を検討している方やどのテレビアンテナを選べばいいかお悩みの方などはぜひご覧下さい。
石渡一義
「第一種電気工事士」・「第三種電気主任技術者」取得。現役時代は神奈川県の建設会社でアンテナ工事やエアコン工事、ブレーカーやコンセント工事など電気工事のスペシャリストとして勤務。現役引退後は趣味のヨットの普及に務める傍ら、電気工事関連の講義や技術指導を行っている。
→特定非営利活動法人 横須賀ヨット協会
→記事の監修者について
テレビアンテナの種類について
テレビのアンテナは大きく分けると、地デジ用のテレビ電波を受信する「地デジアンテナ」と、衛星放送の電波を受信する「BS/CSアンテナ」の2種類があります。
テレビを見るためにアンテナを建てたい場合、まず必要なのが「地デジアンテナ」です。その上で衛星放送の視聴を希望するなら「BS/CSアンテナ」を更に設置する、というスタイルになります。逆に言うと、BSの番組やスカパー・WOWOWなどの番組に興味がないのなら「地デジアンテナ」だけ設置すればOKです。
地デジ用テレビアンテナの種類について
地デジ用のテレビ電波を受信するアンテナを総じてUHFアンテナと言いますが、その中でも形状や用途によって名称が変わってきます。
- 八木式アンテナ
- デザインアンテナ
- 室内用地デジアンテナ
- 車載用地デジアンテナ
それぞれの用途や設置場所・メリットデメリットを解説をご紹介します。
八木式アンテナ(八木アンテナ)
画像引用元:DXアンテナ
地デジ用のテレビアンテナとして最も一般的なのが上記画像のような魚の骨のような形をしたタイプのアンテナで、八木式アンテナ(八木アンテナ)と呼ばれています。
素子数(電波の受信能力)によって大きさや形状が変わり、通販などの一般小売価格では、2,000~8,000円程度で購入することができます。
八木式アンテナの基本情報 | |
八木式アンテナの設置場所 | 屋根上・家の外壁・屋根裏など |
八木式アンテナのメリット | 価格が安い 電波受信能力が高い 設置場所の選択肢が多い |
八木式アンテナのデメリット | 景観を壊す可能性がある 固定用の器具が多くDIYには向かない 強風や鳥などの影響で倒壊・破損する事がある |
八木式アンテナは最も多く普及している地デジ用のテレビアンテナで、近隣の住宅の屋根上を見ればすぐに見つかるでしょう。電波の受信能力が高く価格も安い事から今でも広く使われていて、設置数が多いアンテナです。
一方サイズは大きく、デザイン面ではあまり好まれない傾向にあります。そのため、新築などビジュアルを気にする方からは避けられる場合もあります。また台風や鳥などの外的影響を受けやすく、強風や鳥が止まることで倒壊などの故障が多い傾向にあるアンテナです。
デザインアンテナ(箱型アンテナ)
画像引用元:maspro
八木式アンテナはアナログ放送時代もVHFの受信用に使われていましたが、2003年以降に順次切り替わっていった地デジ放送の登場に合わせる形で登場したのがデザインアンテナと呼ばれる箱型のアンテナです。
縦長のタイプや正方形に近いタイプなど様々な形状の物がありますが、共通しているのは電波を受信する金具部分が露出しておらず、ボックスに覆われているという点です。
デザインアンテナの基本情報 | |
デザインアンテナの設置場所 | 屋根上・家の外壁・屋根裏・ベランダなど |
デザインアンテナのメリット | 家の景観を損なわないデザイン 八木式アンテナに比べて取り付けが容易 強風や鳥などの被害を受けづらい |
八木式アンテナのデメリット | 八木式アンテナよりは数千円高い 八木式アンテナより電波の受診能力がやや弱い |
八木式アンテナと比べてデザインアンテナの電波の受診性能は低くなっています。そのため、電波環境によっては八木式アンテナしか選択肢がない場合もあります。
デザイン面では優れているため、特に新築の戸建てではデザインアンテナを希望する方が多く、また強風や鳥が止まることでの倒壊などの故障のリスクが低いアンテナです。
室内用地デジアンテナ・車載アンテナ
地デジ電波の受信用アンテナには室内用の簡易アンテナや、カーナビなどでテレビを見る用に使う車載用地デジアンテナなどもあります。
車載アンテナはその名の通りカーナビなど車での地デジの視聴用のアンテナです。そのため、一軒家での電波の受信には使われません。
室内アンテナは簡易的なアンテナで、特徴として工事などは必要なく、簡単に設置することができます。一方、電波の受信能力が弱いため、特定の地域などでしか利用できません。室内アンテナの詳細は以下の記事をごらんください。
地デジアンテナの選び方
自宅などの環境で地デジアンテナを設置する場合は、「八木式アンテナ」「デザインアンテナ」「室内用地デジアンテナ」の3種類から選びます。ただ一般的に設置されるテレビアンテナは、「八木式アンテナ」か「デザインアンテナ」のどちらかです。
室内用地デジアンテナは電波受信能力が弱いため、よっぽど優れた電波環境で無い限りはまず使いません。また設置出来る電波環境だったとしても複数の部屋などでテレビを見るのには適していないため、使われる環境はかなり限定的になります。
「八木式アンテナ」か「デザインアンテナ」を選ぶ際も、まず考えなければならないのは設置する場所の電波状況です。
「八木式アンテナ」に比べて「デザインアンテナ」は電波受信能力が若干劣るため、設置する自宅の電波状況が良くない場合や設置場所の電波状況によっては「八木式アンテナ」しか選択肢がない場合もありえます。
地デジアンテナの設置場所については以下の記事で設置場所別にメリット・デメリットをまとめていますのでそちらを参考にしてみて下さい。
関連記事⇒地デジアンテナの設置場所
電波の受信感度を測るためにはレベルチェッカーと言う専用の測定器を使用しますが、業務用のレベルチェッカーは5万円以上しますし、安いレベルチェッカーでは参考程度の数値しか得られない為、どのアンテナが設置できるかはアンテナ工事業者を呼んで調査してもらうのが無難です。
そのため複数の選択肢を予め考えておいて、アンテナ工事業者に相談するのが良いでしょう。
BS/CS用テレビアンテナの種類について
BSはNHKや民放を含む衛星放送、CSは(Communication Satellites)放送と呼ばれる同じく衛星放送で、制度上の違いはありますが現在はスカパー・WOWOWのような有料衛星放送=CS放送と捉えて問題ありません。
BS放送、CS放送はどちらもお皿のような形をしたパラボラアンテナで受信します。BS/CS共用の110度アンテナ、CS用の124度/128度アンテナなど以前は細かく分かれていましたが、現在は全て共通して使えるパラボラアンテナが普及しています。
BS/CSアンテナの種類は大きく2つ。従来のBS/CS放送が視聴できるBS/CSアンテナと2018年から始まったBS4K8K放送が視聴できる4K8K対応BS/CSアンテナです。
どちらのBS/CSアンテナにするかは、4K8K放送を視聴するかどうかを基準に検討していきましょう。
ただ4K8K放送は、アンテナに加えそれ以外の周辺機器も合わせて4K8K対応の物でないと4K8Kの映像で視聴することが出来ません。
4K8K放送とアンテナに関する詳細については、下記記事をご覧ください。
関連記事⇒4K8K放送とアンテナ
まとめ
アンテナの種類 | 特徴 | |
---|---|---|
地デジアンテナ | 八木式アンテナ | 価格が安い 電波受信能力が高い 様々な場所に設置できる |
デザインアンテナ | オシャレな見た目 価格が若干高い | |
室内アンテナ | 上記2種に比べて圧倒的に安い 設置が簡単 電波受信能力が低い | |
車載用アンテナ | カーナビなどでテレビを見るために必要 | |
BS/CSアンテナ | BS/CS放送を見るために必要 4K8K放送を見るためには4K8K対応アンテナが必要 |
テレビアンテナと言っても上記のように様々なアンテナがありますが、地デジが見たい場合は八木式アンテナかデザインアンテナ、地デジに加えて衛星放送が見たい場合は地デジアンテナとBS/CSアンテナを設置すると思っておけばOKです。
八木式アンテナかデザインアンテナの選択は電波状況次第の場合もありますので、アンテナ工事業者に相談するのがいいでしょう。
当サイトでは各地域でおすすめのアンテナ工事業者をまとめていますので、アンテナ工事業者をお探しの方はそちらも是非ご覧ください。
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