エラーコード32は、出湯サーミスタ(温度センサー)の異常を示すエラーです。サーミスタとは、給湯器内部でお湯の温度を検知するセンサーのことで、異常があると安全のために機器の運転が停止します。主に配線の断線・接触不良・センサーの劣化が原因で起こります。
この記事では
- エラーコード32の意味と発生原因
- ユーザーが確認できる対処法
- 修理・交換が必要なケースと費用の目安

黒川精一 (SKG株式会社代表取締役)
「液化石油ガス設備士」「ガス消費機器設置工事監督者」「TES工事士」「第二種電気工事士」など給湯器関連の多数の資格を持つ「給湯器」の専門家。三菱電機・ジャパン建材・東京ガス関連会社など住宅設備機器関連会社に従事した経験を元に、創業50周年の歴史を持つSKG株式会社の代表取締役に就任。
エラーコード32とは?出湯サーミスタ異常の意味
出湯サーミスタとは、給湯器から出るお湯の温度を測定する部品で、常に正しい温度を保つために重要な役割を果たしています。このサーミスタが故障したり、正確な温度を読み取れなくなった場合、異常温度検知としてエラー32が表示されます。
このエラーが出ると、誤作動による過熱ややけどを防ぐために自動的に運転が停止します。再操作しても改善しない場合は、部品の交換が必要です。
エラー32が発生する主な原因
- 出湯サーミスタの劣化・断線(経年劣化による故障)
- コネクタや配線の接触不良(湿気や振動による緩み)
- 制御基板との通信不良(センサー値を正しく認識できない)
- サーミスタの温度検知ずれ(異常高温・低温を誤検知)
特に設置から10年以上経過している機器では、サーミスタの経年劣化によってこのエラーが出やすくなります。
エラー32が出たときの対処法
1. 運転スイッチを切り、再度操作してみる
まずはリモコンの運転スイッチを「切」にして、10秒ほど待ってから「入」にする操作を試してみてください。センサーが一時的に誤検知した場合、これでエラーが解除されることがあります。
再操作後もエラーが表示される場合は、機器内部のセンサーや基板に不具合がある可能性があります。
2. 機器周辺の湿気・水漏れを確認する
浴室や屋外で湿気が多い場所に設置されている場合、配線やコネクタ部分に水分が付着して誤作動することがあります。給湯器周辺が濡れていないか・水漏れがないかを確認してください。乾燥後に再操作して改善するケースもあります。
3. 改善しない場合は使用を中止し、修理を依頼する
何度リセットしてもエラーが消えない場合、出湯サーミスタ自体の故障または制御基板の異常が考えられます。内部の配線や部品は感電やガス漏れの危険があるため、分解せずに専門業者に点検を依頼してください。
サーミスタ異常を放置すると危険です。温度制御が正しく行われず、異常高温によるやけどや機器損傷につながる恐れがあります。異常が続く場合は、直ちに使用を中止してください。
修理・交換費用の目安
出湯サーミスタの交換費用は、約15,000円〜30,000円が一般的です。配線修理や基板交換を伴う場合は、合計で40,000円前後になることもあります。設置から10年以上経過している機器では、部品供給が終了している可能性もあるため、その場合は本体交換が推奨されます。
当社の修理・交換事例
よくある質問
Q:再操作で一時的に直っても問題ありませんか?
一時的にエラーが消えても、内部部品が劣化している可能性があります。再発する場合は速やかに修理依頼を行ってください。
Q:自分でセンサーを掃除しても良いですか?
サーミスタは精密部品のため、自分で分解・清掃するのは危険です。感電やガス漏れのリスクがあるため、必ず専門業者に依頼してください。
Q:修理と交換どちらが良いですか?
設置後10年未満であれば修理対応で問題ありませんが、10年以上経過している場合は、他の部品も同時に劣化しているため、交換を検討した方が安全です。