エラーコード88（給湯専用機）または888（ふろ給湯器）は、点検時期の到来を知らせる告知表示です。故障や危険を直ちに示すものではありませんが、設置から概ね10年が経過したことを知らせるサインであり、ガス機器の安全基準に基づく「法定点検」や有資格者による点検・整備を受けるべきタイミングです。
この記事では
- エラーコード88/888の意味と注意点
- 点検の依頼先と手順、費用の目安
- 点検で直るケースと本体交換の判断基準
黒川精一 （SKG株式会社代表取締役）
「液化石油ガス設備士」「ガス消費機器設置工事監督者」「ＴＥＳ工事士」「第二種電気工事士」など給湯器関連の多数の資格を持つ「給湯器」の専門家。三菱電機・ジャパン建材・東京ガス関連会社など住宅設備機器関連会社に従事した経験を元に、創業50周年の歴史を持つSKG株式会社の代表取締役に就任。
給湯器のエラーコード88/888とは？表示される理由
「88」および「888」は、安全確保のための点検時期の案内を示す告知コードです。燃焼系・給排気系・制御基板など、経年で劣化しうる部位の予防保全を目的としており、使用継続そのものが即座に危険という意味ではありません。ただし、放置して長期使用を続けると不完全燃焼や着火不良、漏水などのリスクが高まるため、早めの点検実施が推奨されます。
国内主要メーカー間では、エラーコード体系が概ね共通化されています。リンナイ・ノーリツをはじめ、パロマ・パーパス等でも同様に「点検時期告知」として扱われることが一般的です。
エラー88/888が出たときの対処法
1. 安全を確保しつつ使用を控えめにし、点検を予約する
現時点で異音や異臭、黒煙、燃焼異常がなければ即停止の必要はありません。ただし、長期使用の継続は推奨されません。機器銘板や取扱説明書で設置年を確認し、メーカーのアフターサービス窓口またはガス機器販売・施工店に点検を依頼してください。
2. リモコンのリセットで表示を消さない
リモコンの電源再入や電源プラグの抜き差しで一時的に表示が消えることがありますが、88/888は「点検の必要性」を知らせる告知です。表示を消して使い続けると、重大な不具合を見逃す可能性があります。自己判断での解除は避け、点検を実施してください。
給排気口の閉塞や燃焼異常の疑いがある場合は、使用を中止し、換気を確保した上で専門業者に相談してください。屋内設置型の機器は特に、DIYでの分解・清掃・改造は行わないでください。
3. 点検の依頼先と流れ
- 依頼先：メーカー修理受付、販売施工店、ガス会社提携サービス
- 準備：メーカー名、型式、製造年（銘板）、設置場所、表示コード、症状の有無
- 点検内容：燃焼状態、ガス圧、給排気経路、熱交換器、電装基板、センサー、配管漏れ等の総合点検
点検費用の目安は地域や事業者により異なりますが、出張・点検でおおむね5,000円〜15,000円台、修理が発生する場合は部品代＋作業費が加算されます。部品供給終了や経年劣化が進んでいる場合は、本体交換が選択肢となります。
点検で直るケースと、本体交換の判断基準
点検・部品交換で改善する主な事例
- 燃焼ファンやフィルターの清掃、センサーの点検・交換
- 電装基板の接点不良の是正、ハーネスの補修
- 給排気経路の清掃・再固定、風雨対策部材の追加
本体交換を検討すべきサイン
- 設置後10年超かつ主要部品の複数劣化、または部品供給終了
- 修理見積が高額になり、新品交換の方が総額的に合理的な場合
- 追い焚き・高効率機（エコジョーズ等）への仕様アップによる光熱費削減を狙う場合
交換の際は、号数・設置方式・排気方式を既存環境に合わせるのが基本です。将来の使用人数増加や同時使用の多いご家庭では、1サイズ上の号数を検討すると快適性が向上します。
給湯器の修理・交換は自分でできる？
給湯器の交換・修理は無資格ではできません。ガス可とう管接続工事監督者・給水装置工事主任技術者など複数の資格が必要です。
無資格者が給湯器を修理・交換した場合、ガス漏れによる一酸化炭素中毒などの深刻な事故のリスクが有りますので、絶対に行わないで下さい。無資格で電気工事を行うと、電気工事士法違反となり、30万円以下の罰金または1年以下の懲役が科される可能性があります。同様に、無資格でガス工事を行うと、50万円以下の罰金が科される可能性があります。
また、DIYで手を加えられた給湯器については、メーカーの一切の保証対象外になりますので、給湯器の交換は必ず専門業者に依頼しましょう。
給湯器の修理・補修は、DIYでも可能な箇所もありますが、主に外部に露出している部分のみとなりますので、不測のエラーが出た際には、まずは当社までお問い合わせ下さい。
給湯器の修理の費用は？
| 小さな修理 （パイプの漏れ、センサーの調整など） | 5,000円〜15,000円 |
|---|---|
| 中程度の修理 （バルブの交換、配線の修理など） | 15,000円〜30,000円 |
| 大規模な修理 （ヒートエクスチェンジャーの交換、ガスバーナーの修理など） | 30,000円〜50,000円以上 |
給湯器の修理費用は、問題の種類や部品の交換が必要かどうかによって大きく変動します。不具合の症状だけで事前に金額を確定させるのは難しく、事前見積もりはあくまでもおおよその金額しか提示されず、基本的には実物の点検をしてから修理費用を算出します。
特に大規模な修理が必要になった場合、100,000円以上かかる場合もありますので、給湯器を交換したほうがオトクな場合もあります。
給湯器を交換する際の費用は？
給湯器交換を依頼できる業者には主に
- 給湯器交換専門店
- ホームセンター
- ガス会社
- 家電量販店
などがありますが、最も安いのは給湯器交換専門の業者です。
ホームセンターや家電量販店は、付近の施工業者を下請けとして使う窓口になっているだけですし、ガス会社はガスの契約やプロパンガス交換などが主業であって、給湯器交換は下請けやグループ会社に投げているケースが多くあります。
そのため、中間マージンが発生し値段が高くなる傾向があるので、給湯器の交換は専門業者に直接依頼するのがオススメです。
給湯器交換の依頼先は？
当サイトでは関東地方でオススメの給湯器業者を紹介しています。給湯器を交換する際の大事なポイントなども解説していますので、給湯器業者をお探しの方は参考にしてみてください。
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よくある質問
Q：88/888が出てもすぐに使えなくなりますか？
直ちに使用不可という意味ではありません。ただし、点検が必要な段階です。異音・異臭・黒煙など異常兆候がある場合は使用を中止し、点検を急いでください。
Q：自分でリセットして使い続けても良いですか？
推奨されません。点検時期告知を消して使い続けると、潜在的な不具合を見逃す恐れがあります。必ず点検を実施してください。
Q：設置から何年で交換すべきですか？
一般的な目安は10年前後です。使用状況・設置環境・メンテナンス履歴により前後します。点検結果と見積を踏まえ、修理と交換を比較検討してください。
