エラーコード12(給湯専用機)または120・121(ふろ給湯器)は、給湯器の途中失火により発生するエラーです。点火不良(エラー11)とは異なり、最初は点火してお湯が出るものの、使用中に突然火が消えてしまうのが特徴です。ガス供給の一時的な停止、大雨や強風、給排気口の詰まりなどが主な原因ですが、簡単な確認と対処で解決できるケースも多くあります。
この記事では
- エラーコード12が表示される原因
- エラーコード12の直し方・対処法
- エラーコード12を直せない場合の修理・交換
について、詳しく解説しています。

黒川精一 (SKG株式会社代表取締役)
「液化石油ガス設備士」「ガス消費機器設置工事監督者」「TES工事士」「第二種電気工事士」など給湯器関連の多数の資格を持つ「給湯器」の専門家。三菱電機・ジャパン建材・東京ガス関連会社など住宅設備機器関連会社に従事した経験を元に、創業50周年の歴史を持つSKG株式会社の代表取締役に就任。
給湯器のエラーコード12とは?表示される原因
給湯器のエラーコード「12」(給湯専用機の場合)または「120・121」(ふろ給湯器の場合)は、給湯器が使用中に火が消えてしまう「途中失火」を示すエラーです。
点火不良を示すエラー11(111)との大きな違いは、最初は正常に点火してお湯が出るものの、使用途中で突然火が消えてしまうという点です。シャワーを浴びている最中や食器を洗っている最中に、突然お湯が水になってしまうため、非常に不便なエラーです。
エラー12が表示されると、給湯器は安全装置が作動して緊急停止します。これはガス漏れやガス爆発などの事故を防ぐための重要な安全機能ですので、安全装置がしっかり作動している証拠でもあります。
このエラーコードも1995年以降、ノーリツ、リンナイ、パロマ、パーパスなど国内主要メーカー間で統一されているため、どのメーカーの給湯器でも同じ意味を持ちます。
エラー11(点火不良)とエラー12(途中失火)の違い
両者は症状が似ていますが、以下のような違いがあります:
エラーコード | 症状 | お湯の出方 |
---|---|---|
11(111) 点火不良 | 最初から点火しない | 蛇口をひねっても最初から水しか出ない |
12(120/121) 途中失火 | 点火はするが途中で消える | 最初はお湯が出るが、突然水に変わる |
エラーコード12の直し方・対処法
エラー12が表示された場合、以下の順番で確認・対処を行ってください。途中失火は一時的なエラーであることが多く、適切な対処で解決できるケースがほとんどです。
1. ガス栓が開いているか確認する
途中失火の場合でも、まずはガス栓の確認から始めましょう。使用中に誰かがガス栓に触れて閉めてしまった可能性や、何らかの振動で栓が動いてしまった可能性があります。
ガス栓は給湯器の近くや下部に設置されており、栓が配管に対して縦(並行)になっていれば「開」、横(垂直)になっていれば「閉」の状態です。閉まっている場合は開栓し、再度給湯器を操作してみてください。
また、他のガス機器(ガスコンロなど)が正常に使用できるかも確認しましょう。他のガス機器も途中で消えてしまう場合は、ガスメーターや供給システムに問題がある可能性があります。
2. ガスメーターを確認・復帰操作を行う
ガスメーター(マイコンメーター)は、長時間連続してガスを使用すると、安全装置が作動してガス供給を自動遮断することがあります。また、給湯器使用中に地震があった場合も、揺れを感知してガスを遮断します。
ガスメーターのランプが赤く点滅している場合は、ガスが遮断されている状態です。この場合は復帰操作を行ってください。
ガスメーターの復帰操作手順:
- すべてのガス機器を止め、ガス栓を閉める
- ガスメーターの復帰ボタンを押す(キャップを外してから押すタイプもあります)
- ランプが点滅したら、そのまま約3分待つ
- ランプの点滅が消えたら復帰完了
復帰後、ガス栓を開けて給湯器を再度操作してみてください。
プロパンガス(LPガス)をご使用の場合、ガスボンベの残量が少なくなるとガス供給圧力が低下し、途中失火の原因となることがあります。ガスボンベの残量計を確認し、残量が少ない場合はガス会社に連絡して交換を依頼してください。また、ガス料金の滞納によってガス供給が制限されている場合もありますので、お支払い状況もご確認ください。
3. リモコンのリセットを試す
ガスの供給に問題がない場合、給湯器のリモコンをリセットしてみましょう。一時的な電子系統のエラーやセンサーの誤作動であれば、リセットで解消される可能性があります。
リモコンのリセット手順:
- 給湯器の運転スイッチを切る
- リモコンの電源を切る
- 約10秒待つ
- 再度リモコンの電源を入れる
- 運転スイッチを入れて、エラーが消えているか確認する
リモコンのリセットで解決しない場合は、給湯器本体の電源プラグを抜いてリセットする方法もあります。ただし、電源プラグの抜き差しを頻繁に繰り返すと基板故障の原因になるため、1~2回程度にとどめてください。
4. 給排気口の詰まりや閉塞をチェックする
給湯器の給気口や排気口が詰まっていると、燃焼に必要な空気が不足したり、排気がうまくできずに途中失火が発生することがあります。給排気口周辺に以下のようなものがないか確認してください:
- ほこりやゴミの堆積
- 枯れ葉や蜘蛛の巣
- 鳥の巣
- 洗濯物や物干し竿など、近くに置かれた物による閉塞
- 段ボールやプランターなど、給排気の妨げになる物
異物が確認できた場合は取り除き、給排気口周辺を清掃してから再度給湯器を操作してみてください。給排気口を塞ぐような物は、火災の原因にもなりますので、定期的に確認・清掃することをおすすめします。
5. 大雨・台風・強風の影響の場合は自然回復を待つ
エラー12は、大雨や台風、強風の日に特に発生しやすいエラーです。以下のような気象条件が途中失火の原因となります:
- 強風による炎の吹き消し
排気口から入り込んだ強い風で、燃焼中の炎が吹き消されてしまう - 大雨による給湯器内部の湿度上昇
給排気口から雨水が入り込み、点火の妨げになる - 長雨による湿気
湿気が多い日が続くと、給湯器内部の電子部品が影響を受ける
悪天候時にエラー12が発生した場合、天候が回復して給湯器内部が乾燥すれば自然にエラーが解除されることがあります。慌てずに天候の回復を待ってから再度試してみましょう。
6. 冬季は給湯器の凍結も疑う
冬季、特に外気温がマイナス15度以下になるような寒冷地では、給湯器内部の配管や部品が凍結してエラー12が表示されることがあります。配管が部分的に凍結すると、ガスや水の流れが不安定になり、途中失火の原因となります。
凍結が疑われる場合は、自然に気温が上がって解凍されるのを待つのが最も安全です。絶対に熱湯をかけないでください。急激な温度変化によって配管が破裂する危険性があります。
給湯器には凍結予防ヒーターが内蔵されており、電源を入れておけば自動で凍結を防止してくれます。冬季は節電のためであっても給湯器の電源プラグを抜かないようにしましょう。長期間留守にする場合は、水抜きを行うなど適切な凍結予防措置を取ってください。
それでもエラーが回復しない場合は故障の可能性
上記のすべての対処法を試してもエラー12が繰り返し表示される場合、給湯器内部の部品が故障している可能性があります。途中失火の原因となる主な故障箇所は以下の通りです:
- フレームロッド
炎を検知するセンサーの故障 - 電磁弁
ガスの供給を制御する弁の不具合 - 燃焼ファン
燃焼に必要な空気を送り込むファンの故障 - 制御基板
給湯器全体を制御する基板の不具合 - ガス比例弁
ガス量を調整する弁の故障
特に使用年数が10年以上経過している給湯器の場合、経年劣化による部品故障の可能性が高くなります。この場合、専門の業者による修理または給湯器本体の交換が必要となります。
給湯器の内部を自分で修理しようとするのは非常に危険です。ガス漏れや不完全燃焼による一酸化炭素中毒、火災などの重大事故につながる恐れがありますので、必ず専門業者に依頼してください。
給湯器の修理・交換は自分でできる?
給湯器の交換・修理は無資格ではできません。ガス可とう管接続工事監督者・給水装置工事主任技術者など複数の資格が必要です。
無資格者が給湯器を修理・交換した場合、ガス漏れによる一酸化炭素中毒などの深刻な事故のリスクが有りますので、絶対に行わないで下さい。無資格で電気工事を行うと、電気工事士法違反となり、30万円以下の罰金または1年以下の懲役が科される可能性があります。同様に、無資格でガス工事を行うと、50万円以下の罰金が科される可能性があります。
また、DIYで手を加えられた給湯器については、メーカーの一切の保証対象外になりますので、給湯器の交換は必ず専門業者に依頼しましょう。
給湯器の修理・補修は、DIYでも可能な箇所もありますが、主に外部に露出している部分のみとなりますので、不測のエラーが出た際には、まずは当社までお問い合わせ下さい。

給湯器の修理の費用は?
小さな修理 (パイプの漏れ、センサーの調整など) | 5,000円〜15,000円 |
---|---|
中程度の修理 (バルブの交換、配線の修理など) | 15,000円〜30,000円 |
大規模な修理 (ヒートエクスチェンジャーの交換、ガスバーナーの修理など) | 30,000円〜50,000円以上 |
給湯器の修理費用は、問題の種類や部品の交換が必要かどうかによって大きく変動します。不具合の症状だけで事前に金額を確定させるのは難しく、事前見積もりはあくまでもおおよその金額しか提示されず、基本的には実物の点検をしてから修理費用を算出します。
特に大規模な修理が必要になった場合、100,000円以上かかる場合もありますので、給湯器を交換したほうがオトクな場合もあります。

給湯器を交換する際の費用は?
給湯器交換を依頼できる業者には主に
- 給湯器交換専門店
- ホームセンター
- ガス会社
- 家電量販店
などがありますが、最も安いのは給湯器交換専門の業者です。
ホームセンターや家電量販店は、付近の施工業者を下請けとして使う窓口になっているだけですし、ガス会社はガスの契約やプロパンガス交換などが主業であって、給湯器交換は下請けやグループ会社に投げているケースが多くあります。
そのため、中間マージンが発生し値段が高くなる傾向があるので、給湯器の交換は専門業者に直接依頼するのがオススメです。
給湯器交換の依頼先は?
当サイトでは関東地方でオススメの給湯器業者を紹介しています。給湯器を交換する際の大事なポイントなども解説していますので、給湯器業者をお探しの方は参考にしてみてください。
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