【コード11(111)】給湯器のエラーの直し方と対処法・原因 ≪点火不良≫ノーリツ・リンナイ

エラーコード11(給湯専用機)または111(ふろ給湯器)は、給湯器の点火不良により発生する最も頻度の高いエラーです。ガス供給の停止、ガス栓の閉栓、大雨や凍結、給排気口の詰まりなどが主な原因ですが、簡単な確認と対処で解決できるケースも多くあります。

この記事では

  • エラーコード11が表示される原因
  • エラーコード11の直し方・対処法
  • エラーコード11を直せない場合の修理・交換

について、詳しく解説しています。

給湯器には、リンナイ・ノーリツ・パロマなどがありますが、内容は各メーカーで同一で、対処方法も同じです。(異常の呼称など若干の違いはあります。)

監修者
監修者 黒川精一

黒川精一 (SKG株式会社代表取締役)

「液化石油ガス設備士」「ガス消費機器設置工事監督者」「TES工事士」「第二種電気工事士」など給湯器関連の多数の資格を持つ「給湯器」の専門家。三菱電機・ジャパン建材・東京ガス関連会社など住宅設備機器関連会社に従事した経験を元に、創業50周年の歴史を持つSKG株式会社の代表取締役に就任。

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目次

給湯器のエラーコード11とは?表示される原因

給湯器のエラーコード「11」(給湯専用機の場合)または「111」(ふろ給湯器の場合)は、給湯器が点火できない状態を示すエラーです。これは給湯器のエラーの中で最も発生頻度が高く、点火に必要なガスが供給されていない、または点火装置に何らかの不具合が生じている場合に表示されます。

エラー11が表示されると、給湯器は安全装置が作動して運転を停止し、お湯が一切出なくなります。蛇口をひねっても水しか出ない状態になるため、日常生活に大きな支障をきたすエラーです。

このエラーは1995年以降、ノーリツ、リンナイ、パロマ、パーパスなど国内主要メーカー間で統一されているエラーコードのため、どのメーカーの給湯器でも同じ意味を持ちます。

エラーコード11の直し方・対処法

エラー11が表示された場合、以下の順番で確認・対処を行ってください。多くの場合、簡単な確認と操作で解決できます。

1. ガス栓が開いているか確認する

最も基本的な確認事項として、給湯器につながるガス栓が開いているかをチェックしましょう。ガス栓が閉まっているとガスが供給されないため、点火できません。

ガス栓は給湯器の近くや下部に設置されており、栓が配管に対して縦(並行)になっていれば「開」、横(垂直)になっていれば「閉」の状態です。閉まっている場合は開栓し、再度給湯器を操作してみてください。

また、他のガス機器(ガスコンロなど)が正常に点火するかも確認しましょう。他のガス機器も使えない場合は、ガスメーターでガスが遮断されている可能性があります。

2. ガスメーターを確認・復帰操作を行う

ガスメーター(マイコンメーター)は、地震による強い揺れを感知したり、長時間ガスを使用し続けたりすると、安全装置が作動して自動的にガス供給を遮断します。ガスメーターのランプが赤く点滅している場合は、ガスが遮断されている状態です。

この場合は、ガスメーターの復帰操作を行う必要があります。復帰操作の手順は以下の通りです:

  1. すべてのガス機器を止め、ガス栓を閉める
  2. ガスメーターの復帰ボタンを押す(キャップを外してから押すタイプもあります)
  3. ランプが点滅したら、そのまま約3分待つ
  4. ランプの点滅が消えたら復帰完了

復帰後、ガス栓を開けて給湯器を再度操作してみてください。

プロパンガスの場合はガス切れもチェック

プロパンガス(LPガス)をご使用の場合、ガスボンベの残量が少なくなっている可能性もあります。ガスボンベの残量計を確認し、残量が少ない場合はガス会社に連絡して交換を依頼してください。また、ガス料金の滞納によってガス供給が停止されている場合もありますので、お支払い状況もご確認ください。

3. リモコンのリセットを試す

ガスの供給に問題がない場合、給湯器のリモコンをリセットしてみましょう。一時的な電子系統のエラーであれば、リセットで解消される可能性があります。

リモコンのリセット手順:

  1. 給湯器の運転スイッチを切る
  2. リモコンの電源を切る
  3. 約10秒待つ
  4. 再度リモコンの電源を入れる
  5. 運転スイッチを入れて、エラーが消えているか確認する

これでもエラーが消えない場合は、給湯器本体の電源プラグを抜いてリセットする方法もあります。ただし、電源プラグの抜き差しを頻繁に繰り返すと基板故障の原因になるため、1~2回程度にとどめてください。

4. 給排気口の詰まりをチェックする

給湯器の給気口や排気口が詰まっていると、正常な燃焼ができず点火不良が発生することがあります。給排気口周辺に以下のようなものがないか確認してください:

  • ほこりやゴミの堆積
  • 枯れ葉や蜘蛛の巣
  • 鳥の巣
  • 近くに置かれた物による閉塞

異物が確認できた場合は取り除き、給排気口周辺を清掃してから再度給湯器を操作してみてください。ただし、給湯器本体の分解清掃は危険ですので行わないでください。

5. 天候の影響の場合は自然回復を待つ

大雨や台風の日にエラー11が発生した場合、給排気口に雨水が入り込んで一時的に点火できなくなっている可能性があります。また、強風によって炎が吹き消されてしまうケースもあります。

この場合、天候が回復して給湯器内部が乾燥すれば自然にエラーが解除されることがあります。悪天候時にエラーが発生した場合は、慌てずに天候の回復を待ってから再度試してみましょう。

6. 冬季は給湯器の凍結も疑う

冬季、特に外気温がマイナス15度以下になるような寒冷地では、給湯器内部の配管や部品が凍結してエラー11が表示されることがあります。

凍結が疑われる場合は、自然に気温が上がって解凍されるのを待つのが最も安全です。絶対に熱湯をかけないでください。急激な温度変化によって配管が破裂する危険性があります。

どうしても早く解凍したい場合は、タオルにぬるま湯(30~40度程度)を含ませて、凍結箇所に当てるという方法もありますが、基本的には自然解凍を待つことをおすすめします。

凍結予防には電源を切らない

給湯器には凍結予防ヒーターが内蔵されており、電源を入れておけば自動で凍結を防止してくれます。冬季は節電のためであっても給湯器の電源プラグを抜かないようにしましょう。長期間留守にする場合は、水抜きを行うなど適切な凍結予防措置を取ってください。

それでもエラーが回復しない場合は故障の可能性

上記のすべての対処法を試してもエラー11が消えない場合、給湯器内部の点火装置(イグナイター)や電磁弁、フレームロッド、制御基板などの部品が故障している可能性があります。

特に使用年数が10年以上経過している給湯器の場合、経年劣化による部品故障の可能性が高くなります。この場合、専門の業者による修理または給湯器本体の交換が必要となります。

給湯器の内部を自分で修理しようとするのは非常に危険です。ガス漏れや不完全燃焼による一酸化炭素中毒、火災などの重大事故につながる恐れがありますので、必ず専門業者に依頼してください。

当社のエラーコード11の修理・交換事例

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給湯器の修理・交換は自分でできる?

給湯器の交換・修理は無資格ではできません。ガス可とう管接続工事監督者・給水装置工事主任技術者など複数の資格が必要です。

無資格者が給湯器を修理・交換した場合、ガス漏れによる一酸化炭素中毒などの深刻な事故のリスクが有りますので、絶対に行わないで下さい。無資格で電気工事を行うと、電気工事士法違反となり、30万円以下の罰金または1年以下の懲役が科される可能性があります。同様に、無資格でガス工事を行うと、50万円以下の罰金が科される可能性があります。

また、DIYで手を加えられた給湯器については、メーカーの一切の保証対象外になりますので、給湯器の交換は必ず専門業者に依頼しましょう。

給湯器の修理・補修は、DIYでも可能な箇所もありますが、主に外部に露出している部分のみとなりますので、不測のエラーが出た際には、まずは当社までお問い合わせ下さい。

給湯器の修理の費用は?

小さな修理
(パイプの漏れ、センサーの調整など)
5,000円〜15,000円
中程度の修理
(バルブの交換、配線の修理など)
15,000円〜30,000円
大規模な修理
(ヒートエクスチェンジャーの交換、ガスバーナーの修理など)
30,000円〜50,000円以上

給湯器の修理費用は、問題の種類や部品の交換が必要かどうかによって大きく変動します。不具合の症状だけで事前に金額を確定させるのは難しく、事前見積もりはあくまでもおおよその金額しか提示されず、基本的には実物の点検をしてから修理費用を算出します。

特に大規模な修理が必要になった場合、100,000円以上かかる場合もありますので、給湯器を交換したほうがオトクな場合もあります。

給湯器を交換する際の費用は?

給湯器交換を依頼できる業者には主に

  • 給湯器交換専門店
  • ホームセンター
  • ガス会社
  • 家電量販店

などがありますが、最も安いのは給湯器交換専門の業者です。

ホームセンターや家電量販店は、付近の施工業者を下請けとして使う窓口になっているだけですし、ガス会社はガスの契約やプロパンガス交換などが主業であって、給湯器交換は下請けやグループ会社に投げているケースが多くあります。

そのため、中間マージンが発生し値段が高くなる傾向があるので、給湯器の交換は専門業者に直接依頼するのがオススメです。

給湯器交換の依頼先は?

当サイトでは関東地方でオススメの給湯器業者を紹介しています。給湯器を交換する際の大事なポイントなども解説していますので、給湯器業者をお探しの方は参考にしてみてください。

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